営業改革を考える (12) 営業日報は本当に必要か?

画像: rousearts

2016.09.14

営業・マーケティング

営業改革を考える (12) 営業日報は本当に必要か?

日沖 博道
パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

営業日報を書かせること自体が無駄になっているケースは、実は少なくない。しかし営業日報を廃止して有効な営業指導を機能させるためには、ある高いハードルを越える必要がある。

小生の経験では、日報を廃止する代わりに営業マネージャーが面談で状況を把握し、直接に助言・指示をすることを基本にすることが有効なケースが少なくない(もちろん、具体的なやり方は個々のケースで異なる)。

観察しながら適切な質問をぶつけることができるので、営業マンがサボっている場合にはすぐに見抜けるし、状況急転の兆候に気づけずに手遅れになることもほぼなくなる。

ただし、このやり方が機能する条件が一つある。営業マネージャーに経験と時間があることである。

マネージャーになっている人は営業で実績を上げて出世したというのが普通なので、経験のほうは大概問題ない。では時間のほうはどうか。残念ながら、営業ノルマを持つプレイングマネージャーの場合には、部下に対し丁寧な指導をすることは現実的には難しい。どうしても自分のノルマを果たしてからでないと、そんな余裕は生まれないからだ。

したがってこのやり方を採用するためには、基本的に営業マネージャーからノルマを取り除き、営業チームのマネジメントに集中させるという大きな方針転換が必要になる。実はここが一番高いハードルなのである。

(本稿は2013年6月のコラム記事に加筆修正したものです)

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日沖 博道

パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

パスファインダーズ社は少数精鋭の戦略コンサルティング会社です。「新規事業の開発・推進」「既存事業の改革」「業務改革」の3つを主テーマとした戦略コンサルティングを、ハンズオン・スタイルにて提供しております。https://www.pathfinders.co.jp/                  弊社は「フォーカス戦略」と「新規事業開発」の研究会『羅針盤倶楽部』の事務局も務めています。中小企業経営者の方々の参加を歓迎します。https://www.pathfinders.co.jp/rashimban/         代表・日沖の最新著は『ベテラン幹部を納得させろ!~次世代のエースになるための6ステップ~』。本質に立ち返って効果的・効率的に仕事を進めるための、でも少し肩の力を抜いて読める本です。宜しければアマゾンにて検索ください(下記には他の書籍も紹介しています)。 https://www.pathfinders.co.jp/books/

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