営業日報を書かせること自体が無駄になっているケースは、実は少なくない。しかし営業日報を廃止して有効な営業指導を機能させるためには、ある高いハードルを越える必要がある。
小生の経験では、日報を廃止する代わりに営業マネージャーが面談で状況を把握し、直接に助言・指示をすることを基本にすることが有効なケースが少なくない(もちろん、具体的なやり方は個々のケースで異なる)。
観察しながら適切な質問をぶつけることができるので、営業マンがサボっている場合にはすぐに見抜けるし、状況急転の兆候に気づけずに手遅れになることもほぼなくなる。
ただし、このやり方が機能する条件が一つある。営業マネージャーに経験と時間があることである。
マネージャーになっている人は営業で実績を上げて出世したというのが普通なので、経験のほうは大概問題ない。では時間のほうはどうか。残念ながら、営業ノルマを持つプレイングマネージャーの場合には、部下に対し丁寧な指導をすることは現実的には難しい。どうしても自分のノルマを果たしてからでないと、そんな余裕は生まれないからだ。
したがってこのやり方を採用するためには、基本的に営業マネージャーからノルマを取り除き、営業チームのマネジメントに集中させるという大きな方針転換が必要になる。実はここが一番高いハードルなのである。
(本稿は2013年6月のコラム記事に加筆修正したものです)
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パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長
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