社会人になって改めて学生時代を振り返ると、自分が変わったと思うときが誰しもあるだろう。夢を語り、世界や国を熱い思いで自分の視点から見ていたのが、いつしか自分もその中に組み込まれていることに気づいた時などがそうかもしれない。アシストに入社して10年になる坂口修平もそれを感じている1人である。
坂口の上司である鈴木敦夫は、大きな転機となったのはあるプロジェクトマネジメント役を担当したことだったと振り返る。
「坂口さんとは2007年5月、国内にSOX法が導入された頃に立ち上がったセキュリティ系製品の部署から一緒に仕事をしています。2009年2期に東日本顧客支援室で、あるお客様向けのプロジェクトマネジメント役が必要となり、そこで白羽の矢が立ったのが坂口さんでした。今まで一製品を担当していた坂口さんにとっては初めてのマネジメント経験でしたので正直不安はありましたが、その粘り強さと物事に対する集中力から彼ならばできるという期待の通り、無事にやり遂げてくれました。この経験が大きな転機になったと思います」
こうして顧客支援室での経験を積むうちに、坂口は自分の存在意義は、たとえその問題の所在が明らかでなかったとしても、それを自分が一度引き受けることだと思うようになったと言う。
「私の立場はお客様に対するフロントであり、バックにいるハードウェア・ベンダー、 OSベンダー、アシストの扱っている複数製品、それらの取りまとめ役だと思うようになりました。フロントとしてそれらを吸収して個々との関係を取り持って調整していかなければ話が前に進みません。特定製品の視点どころか、 『アシストの範疇で』という考えすらも持たないようにし、とりあえず、要求でもトラブルでも 一旦全て引き受けることが自分の存在意義であり、さらに自分の価値を上げることなのだと、強く認識したのです」
自然の生態系では種類の違う構成要素が互いを補完し、良好な環境を維持させている。IT業界のエコシステムのなかでも、ハードベンダーやソフトベンダー、そしてユーザが共に有機的に結びつき、成長による利益を分かち合うことが理想の姿だ。しかしそこで健全なエコシステムとして機能させていくことは、構成員の相互協力なしには難しい。何か問題が生じた場合、避けるのではなく率先してそれを自分の事として引き受ける人が必要だ。その役割を自分が担うと決意をした坂口に、お客様が信頼を寄せてくれるようなったのも不思議ではない。
坂口と親しい同期の山崎は坂口の変化についてこう語る。
「最初は、とっつきにくいタイプの人だなという印象でした。自分は営業職、坂口さんは技術職ということで仕事上の直接的な接点がなかったこともあります。でもそれは社員旅行で一緒に行動して、実はそうではないことがわかりましたが。親しくなってから、お互い非常に忙しくなってあまり話す機会がありませんでしたが、ある時私が、何か仕事に対して彼に不満を漏らしたんです。それまでの坂口さんだったら、口癖のように言っていた、“そうだよね~”といった言葉が返ってきたはず。ところが彼から、“その状況を変えるのは俺たち世代。ヤマ(私のニックネーム)だと思うよ”、と言われたのです。それが非常に印象的でした。顧客支援という新しい環境で苦労していることも知っていましたし、また、プライベートでも坂口さんは結婚して家族を持った後でしたから、彼がいろいろなことの責任をとるのは自分自身だという、強い意志を持つようになったことを強く感じました」
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