この頃、管理職の教育の仕事が増えている。 どちらの企業のことということでなしに、多くの企業の人事部の皆さんもご苦労されているなあと思うのは、3つの困ったタイプの管理職である。
【3つのタイプの困った管理職】
「我が道を行く」人
よく言えば、我が道を行く、であるが、ややもすると独善的で、会社の特に人事に批判的かつ非協力的で、現場のことしか頭にないタイプの方。
人事に対して「お前たちに現場の何が分っているんだ」という態度であり、研修現場でも僕のような外部の人間に対しても「よその人間に何が分る」と排他的な態度を取る。
時として、その場の空気を支配し他の参加者の障害になる場合もある。
「思考停止」の人
非常に素直で、従順で、「言われたことは何でもやります」という態度であり、研修現場でも一生懸命話を聞き、メモをびっしり取り、最も真面目な取り組み態度である。
しかし、ディスカッションとなると全くダメで、ほとんど自分の意見がない。
素直なだけで問題意識と目的意識を持って臨んでいないので、自分の頭で考えるモードがないのである。
そもそも「成長意欲を無くしている」人
話を聞いていると、管理職になったことで目的達成が完了し、目の前の仕事をこなす(本来の役割を果たしているかどうかは別)だけになっており、貪欲さがまったく感じられない。
研修プログラムを構築し、実施するにあたっては、この3つのタイプの方がいる前提で準備し心構えをしなければならない。
研修プログラムの内容と、当日のファシリテートの仕方のみならず、本来は研修の告知の仕方、上長からの意識づけ、人事からのリマインドの内容、必要によっては事前面談、あるいは事前課題の与え方、そして実施後のフォローに至るまで、計画的に行う配慮が必要だ。
何とも言えず、もったいないと思わずにはいられないのであるが、僕が最も困ると思うのは、三つ目の「成長意欲を無くしている」人である。
自分が現状でヨシとして、成長意欲を無くしているのは自由と言えば自由なのであるが、困るのはそれが周囲にも伝染する危険性があるということである。
管理職になって「一丁上がり」とばかりに、目標を無くしてその日暮らしをされては周囲の者が迷惑であるし、成長を前提とした企業活動にとっても甚だ困ることになる。
人事組織
2013.06.25
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2010.06.16
今野 誠一
株式会社マングローブ 代表取締役社長
組織変革及びその担い手となる管理職の人材開発を強みとする「組織人事コンサルティング会社」を経営。 設立以来15年、組織変革コンサルタント、ファシリテーターとしてこれまでに約600社の組織変革に携わっている。