学生の就職活動が本格化している。リクルートキャリアはビッグデータを活用したことで、これまで分からなかった就活生の動きが見えてきたという。中でも女子学生の行動パターンにはある特徴があった。それは……。[土肥義則,Business Media 誠]
一般的な就活生の人気企業ランキングの場合、文系・理系別や業界別といった属性で分けているモノをよく見ます。私たちが作ったモノは「学生志望業種別」。冒頭でも申し上げたとおり、就活生はより広い視野でさまざまな企業にアプローチをしたほうがいい。そうすると「文系・理系別」「業界別」といったモノよりも、「学生自身が何に興味を持っているか」をベースにランキングを作成したほうが行動喚起につながるのではないか? という仮説を立てました。
業種のところでもお話したとおり、「福祉関連」と「レジャー・アミューズメント」は業界としては違いますが、学生が興味を持ち、次のアクションに結びつくという点ではよく似ています。多くの学生はひとつの業界だけを見るのではなく、いくつかの関連業種を並行して探しています。
「女子学生」の動き
土肥:なるほど。例えば、ある学生が「メディア」で企業を探している、ということが分かると、その学生がアクションする傾向の強い企業ランキングを提供するのですか?
リク:はい。学生の行動をベースに作成した企業ランキングは、従来のモノに比べて約2倍のアクションがありました。一方で、このランキングもまだ改善の余地がありました。「条件はメディアだけ」だと訴求しやすいのですが、多くの学生は業界や業種だけを条件に企業探しをしているわけではありません。「勤務地」を重視する学生もいますし、「待遇」や「安定性」を重視する学生もいます。そうした行動に応じて「あなただけの企業リスト」を作れないかという話になり、実際に作ってみました。
土肥:その「リスト」はどのようにして、作っているのでしょうか?
リク:まずビッグデータを使って、「Aさんはこういう行動をしている」という情報を手にいれます。次に行動を分析して、「Aさんはこういう軸を持っているはずだ」と数理的に判断して、最後に「Aさんはこういう企業に興味があるのでは?」と推測して、企業リストを作るんですよ。
土肥:そのリスト、学生は見てくれていますか?
リク:たくさんの学生に見ていただいてますね。従来のモノと比べると、10倍近いアクションがありました。
土肥:リストをつくったことで、何か面白い傾向とかってありましたか?
リク:ありました。例えば、女性と思われる行動をしている学生。「女性と思われる」と言っているのは、リクナビでは登録時に性別を聞いていないので、この行動をしている学生は女性だろうと類推しています。ここでは「女子学生」と表現しますね。ドイさんは、マスカラを扱う企業ってどこか知っていますか?
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