国民ランキングという恐怖を知れ。
だけど逆にだれかがぼくを見張っているのではなかろうか、とも思った。もしかしてストーカーが? いや、そんな暇人はいない。多分、多分、いないだろう。そう信じたかった。
「今週のあなたの国民ランキングは25,782,480番目でした。先週はあなたより上のランクの方が47,492人亡くなりました。先週末のセミナーはあなたの職業に好影響を与えるものとなりましたのでランキングに反映しています」
翌週のこれを見てぼくはぞっとなった。ぼくは某社の主催する専門教育講座を受講して、感銘を受けていたのだ。これは妻にも言っていない。電車で出かけていったし、狭い道を歩き、まわりには確かに誰もいなかったのだった。
「申し訳ありませんが、配信を止めていただけないでしょうか」
こうぼくは書いてメールした。そしてその返信は来ず、プツリとランキングはこなくなった。急に寂しい思いに襲われた。繰り返し、半年も前のことだ。
わずか5回のメールだったが、もし今でもぼくが受信を続けていたらぼくは何位だっただろうか。そして誰が何のために配信していたのだろうか。特別な調査会 社があり、そこで誰かが調査をしていたのだろうか。でも何のために? ああ、考えるだけでもいやだ。ぼくはこのことを皆に隠してきた。誰が送ったのか当てようとした。しかし皆は何も変わった様子がない。結局誰が送ったのかわからなかった。
もし送っていた人がこのブログを見ていたら、その理由を教えて欲しいと思う。
そして、いまぼくが何位かも教えて欲しいのだ。
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2012.12.27
2013.01.26
未来調達研究所株式会社 取締役
大阪大学卒業後、電機メーカー、自動車メーカーで調達・購買業務に従事。未来調達研究所株式会社取締役。コスト削減のコンサルタント。『牛丼一杯の儲けは9円』(幻冬舎新書)など著書22作。