フレームワークは思考の速度を高め、人に伝える能力を高める効用がある。 当サイトにおいて、「フレームワーク」というカテゴリーがあるのも、ナレッジワーカーのツールとしての有用なツールを共有しようという意図によるものだろう。 しかし、その有用さの裏側にある「落とし穴」にはまらないよう注意が必要だ。
XX会社を取り巻く環境は、<好景気による消費拡大>という機会と
<競合数の増加>という脅威があり
総合的には<予断を許さない状況である>といえる。
その中で<顧客ニーズの取り込みが完全でない>という弱みを、
<業界ナンバーワンの信用力>でカバーして勝っていく。
一見、それらしい文章になっている。しかし、どうにも具体性がない。
なぜ、上記のような具体性に乏しく、意味合いが明確でない結果になってしまうのか。それは、短くまとめようとしすぎるからだ。
フレームワークに当てはめる要素も、ついつい短くなりがちだ。単語、熟語レベルの短さである場合も多い。本来はこの段階から意味を持った文章を記入すべきなのだが、どうしてもフレームの記入スペースに制約されて記述が短くなってしまう。そして最後の意味合いを文章化する際も、一言でまとめられる文章にしようと思うあまり、言葉足らずになる。口頭による補足説明なしで、相手が読めば理解できるレベルで記述することが肝要なのである。
ここまでSWOT分析を例に、フレームワークからきちんと「意味合い」を抽出することの重要性と、実行に際して求められるレベル感をまとめてきた。「なるほど」と納得していただければありがたい限りだが、しかし、「ではこの手順通りに進めてみよう」と考えるのはちょっと待ていただきたい。ここに記した手順は一つのフレームワークでもある。
フレームワークを鵜呑みにせず、一度自分なりに咀嚼して使いこなすことこそが重要なのだから。
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2008.01.20
2008.03.03
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。