「キャリア教育に意味がない」という批判がよく聞かれます。担当する教員として耳が痛い話ですが、確かに愚にもつかないキャリア心理学みたいな授業や、単なる就活トレーニングを「キャリア教育」と言い張っている授業もあるようです。
内容としては文系じゃなく、「理系」であることの進路選択のオプション。何より人生設計などできなくても良いけど、いずれ起こるであろうライフキャリアイベントを考えてもらい、その上で就職するなら、アカデミアに行きたいなら、といろいろなケースを検証しました。
さらに「いつか夢がかなう」というのはマンガの話で、現実の世界は努力したって報われないことはあるよ、といういつもの私の超現実的、若者の夢砕きも触れました。
別にいじわるやイヤミではなく、「努力が実らない」現実や、「やりたいこと」を実現できるのがキャリアではなく、まず「生きること」が先で、そこが担保されて初めて「選ぶ権利」が生まれるのだということを伝えたかったのです。
今、会社で働いてるお父さんたちは、別にやりたいことが会社員だった訳ではなく、いろいろな環境や時代があって、今に至ってるのです。その結果、今こうして大学に通えている君たちがいるのよということです。
けっこう修身的な倫理観、朱子学的な姿勢と、一方で西欧プラグマティズムの両方を備えることが、理系だけではないが将来のリーダー候補には必要なのだということが申し上げたかったことです。
そのためには就活を学部1年からやるんじゃなくて、理系なんだからしっかり実験や研究をやって、結果としてバイトもサークルも男女交際も、何も出来なかった暗黒理系ライフしか送れなかったとしても、それは失敗でも何でもなく、そうして得られたインテリジェンスは大いに資産になるのだということです。
金曜の夜だってのに遊びにも行かず、こんなおっさんの話を聞きに来てくれた時点で、もはや非リア充は決定的かも知れないけど、それでも勉強しておくと、将来良いことあるよという話でした。
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株式会社RMロンドンパートナーズ 東北大学特任教授/人事コンサルタント
芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。