お客さんの心を掴みたいなら、楽しよう、手を抜こうとしちゃいけません。また、効率性を考えすぎてはいけません。 可能な限り、手間と時間をかけたコミュニケーションが必要です。
そういえば、経営危機を乗り越え、さあ再出発という時期のJALでは、客室乗務員の自筆のメッセージを搭乗客全員に渡すといった工夫をしていましたね。
実は、ビジネスとして「返報性の原理」が応用できるにも関わらず、それほど実施されていないことがあります。
それは、企業が持つ
「専門知識やノウハウ」
の積極的な公開です。
企業にとって、自社内にある専門知識やノウハウはあまりにも身近なもの。このため、たいして価値を感じなくなっています。
しかし、外部の人々にとって、それはとても価値が高いかもしれないし、その知識やノウハウのおかげでなんらかの問題解決につながることもある。
そうすれば、なによりも「恩義」に感じてもらえるわけです。
自社がもつ専門知識やノウハウは、あまり外部に出したくないという意識が働きますし、わかりやすく伝えようとすれば、手間と時間がかかるため、正直面倒だと感じるでしょう。
専門知識やノウハウの公開が、それほど実施されていない理由はおそらくこんなところでしょう。
しかし、だからこそ、積極的に公開すれば、「返報性の原理」の効果が大きく高まるのです。
なお、コンサルティングなどの専門サービス企業においては、知識やノウハウは収益を生み出す商品です。それでも、一定の範囲で積極的に公開することで、評価が高まり収益向上につながるケースがしばしば見られます。
「返報性の原理」を自社ビジネスに応用するなら、できるだけ手間と時間をかけること、効率性を重視しすぎないことをぜひ心がけてください。
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2012.09.20
2015.07.10
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。