「医師のキャリアづくり」を支援するビジネス。 この分野で成功を収めているのが、 (株)メディカルプリンシプル社(以下、MP社) です。
しかし、このところの医療行政の変化などにより、
大学医局のコントロール力(人事権)が弱まってきました。
このため、医師側としても、
これまでのように医局に命令されるままに異動する
「受身のキャリア」
ではなく、
自らのキャリアを自主的にデザインし、
勤務先・転職先を積極的に選択する
「自律的なキャリア」
の必要性が高まってきています。
こうした、医師の自律的なキャリアづくりのための
サービスを提供しているのが
「民間医局」
であり、「大学医局」で対応しきれなくなった部分を
補完する役割を果たしているのだそうです。
では、MP社の最大の強みはなんだと思いますか?
私の見るところ、それは、
「専任エージェントによるきめ細かいサービス」
です。
同社では、医師の
「転職先紹介」
をメインのサービスとしながらも、
医学生から研修医、そして新米医師からベテラン医師に
至るまでの
「医師の長いキャリア全般」
をカバーする様々なサービスをワンストップで
提供しています。
そして、こうした医師人生の要所要所での点的なサービスを
つなぎ、医師との長い「線的な関係性」を構築・維持するのが
生身の人間である、
「民間医局の専任エージェント」
なのだそうです。
民間医局を利用した医師によれば、
単に求人情報を送りつけてくるだけの競合他社と異なり、
まず直接面談する時間を持ち、自分のキャリアについて
じっくり話すことができる点を高く評価しているとのこと。
ここには、
効率よりも効果、
短期的な収益よりも長期的な収益最大化を狙う
という同社の基本方向がうかがえるように思います。
また、こうした教育に時間のかかる人的なサービスは、
簡単に他社が真似することができません。
つまり、民間医局の最大の競争優位性は
「現場」
にあります。
CRM(Costomer Relationship Management)の本質を
踏まえた、専任エージェントによる
「ハイタッチなサービス」
こそが、MP社を成功に導いたビジネスモデルの核に
あると感じました。
*上記内容は、同社への取材に基づいて独自に
書き起こしたものであり、文責は当記事執筆者である
松尾にあります。
*MP社については、INSIGHT NOWの特集、
「Secrets of First Most Only
-なぜ、あの企業は「日本初・日本一・日本唯一なのか-」
で詳細な取材記事(執筆:竹林篤美氏)が来週以降
アップされますのでお楽しみに!
*メディカルプリンシプル社Webサイト
http://www.medical-principle.co.jp/
*民間医局Webサイト
http://www.doctor-agent.com/da/member/top/index
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2007.11.19
2009.02.10
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。