「医師のキャリアづくり」を支援するビジネス。 この分野で成功を収めているのが、 (株)メディカルプリンシプル社(以下、MP社) です。
MP社は、端的に言えば、
医師の転職先やアルバイト先を紹介する事業、
すなわち、
「人材紹介業」
を行っています。
医師の紹介先は、もちろん医療機関・施設です。
ただし、この医療機関・施設には、
いわゆる一般の病院だけでなく、介護施設や製薬会社の研究職、
産業医として勤める企業なども含みます。
MP社は、他の人材紹介会社と異なり、
「医師」
だけに専門特化しているのが競争優位性の源泉です。
医師の人材紹介に固有の深い知識・ノウハウを
社内に蓄積、共有してきています。
そして、同社が展開する医師向けのサービスを
包括する名称として
「民間医局」
というブランド名称が与えられています。
さて、MP社と医師との主な接点は、次の3つです。
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1.「民間医局」専任エージェント
人対人のハイタッチな接点。
民間医局の登録会員1人ひとりに専任の担当者が任命され、
まるでメジャーリーガーの代理人(エージェント)のように、
医師の立場に立ち、医師のキャリアづくりのお手伝い
や転職先探し、待遇などの条件交渉を代行しています。
2.「民間医局」Webサイト
Webサイトを通じたヴァーチャルな接点。
民間医局サイトでは、転職やアルバイト先を希望する
医師などが、求人検索や各種サービスを利用できます。
なお、民間医局の登録会員には、
医師、および医学生、研修医だけがなれます。
3.ドクターズマガジン
ブランディングのための接点です。
医療機関や民間医局の登録会員に無料で配布される
MP社独自発行の専門誌がドクターズマガジン。
同誌では、医師の方にとって有益な各種情報に加えて、
オピニオンリーダー的存在の医師の方々の「人となり」に
フォーカスした記事が掲載されており、MP社に対する
信頼感と高品質なイメージの醸成に寄与しているそうです。
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ところで、そもそも医師のキャリアはどのようなものなのか、
一般の方はあまりご存じないと思います。
実は、医師のキャリアは、
各医師が在籍している大学病院の
「医局」
によってコントロールされていました。
(現在でも、この仕組みは基本的に変わっていません)
*「医局」について、
Wikipediaでは次のように説明されています。
「大学医学部・歯学部の附属病院での診療科ごとの、
教授を頂点とした人事組織」
これは、大企業に入社した社員のキャリアが、
人事部によってコントロールされているのと
ほぼ同じ仕組みだと言えるでしょう。
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2007.11.19
2009.02.10
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。