昨日取り上げた「マズローの欲求段階説」には「5つの欲求」が含まれている、という解説が一般的です。
マズローは、『知り、理解したいという欲求は、幼児期・児童期に見られ、おそらく成人期よりも強いのではないか』と述べています。小さいうちは、世の中知らないことだらけですから、強い好奇心を発揮するのも当然でしょう。
しかし、大人になるにつれ、好奇心は相対的に弱くなりがちですし、社会的制約、現状に対するあきらめなどから
「知的無気力」
が生まれるなど、「精神的病理」と深く関係していることをマズローは示唆しています。
現代の日本では、ある程度低次の欲求が満たされているシニア層において、とりわけ「認知的欲求」が高まっている傾向がうかがえますよね。
自治体やカルチャーセンター、大学などが主催する社会人向けの学校に積極的に出向き、歴史、文化、芸術など、様々な分野の知識を貪欲に学ぶことに大きな喜びを見出しています。
また、若年・中年層においても、環境変化の激しい現在、文字通り「生き残り」のために、新たな知識を積極的に学ぶ人々が増えていると考えられます。
(同時に、「あきらめか」らくる「知的無気力」に陥る人も同時に増えているかもしれません)
ちなみに、茂木健一郎氏は、
「一大教養時代が来る」
と予言しています。
「知ること」は最大の快楽。知識欲は満腹になることがない、すなわち限りがないからです。
マーケターとしては、対象とする顧客の「認知欲求」を満たすために、どんなコンテンツやコミュニケーションが有効なのかを考えてみるべきではないでしょうか?
マズローの「欲求‘7’段階説」(2)に続く
http://www.insightnow.jp/article/7207
『人間性の心理学-モチベーションとパーソナリティ』
(A.H.マズロー著、小口忠彦訳、産能大出版部 改訂新版)
『ヒルガードの心理学』
(スーザン・ノーレン・ホクセマ他著、内田一成訳、金剛出版)
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2015.07.28
2016.08.08
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。