通販業界の『真似るの塔』は、何時ぶっ壊れるのか?

2012.05.20

営業・マーケティング

通販業界の『真似るの塔』は、何時ぶっ壊れるのか?

中村 修治
有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

通販会社の乱立するここ福岡では、通販チラシやウェブを制作するクリエーター達が、少々疲弊している。当たったものは、真似ろ、真似ろ、盗め、盗めの繰り返しだからである。仁義もない。忠誠もない。ただ、効率ばかりが求められている。

技術を知るクリエーター達の育成が今後の鍵。


LPがどんどんと同じ見映えになって、どこも同じになっていく一方で・・・、エリアや動線等の個人認識をするためのone to onマーケティングのシステムは、日々進化している。昔は夢の夢だった、パーソナライズな対応が本当に可能になりつつある。
LPは、そのシステムの上で動き出すことを前提とすると、現況のように、真似が真似を招き、ぜんぶが最大公約数的に一本化していく世界は終焉を迎えるはず。
そういう技術を知り、その技術の上で、いくつもの仮面をかぶって変化し続けられるクリエーター達が、次代を担うことになる。ウェブというシステムを知った一流の営業マン達がLPという武器を握って狩猟を続けていく。そういう時代が必ずやってくるから、真似て、真似て、自分を一流だと思っている企画屋さんやクリエーター達は、自然に淘汰されるって・・・。

ウェブの販促手法やクリエイティブは、ネットにあげた時点で、基本的に大公開である。真似られることが前提である。その世界で20年近くに渡り実績を上げている、覚田社長の言葉は重い。真似することではなく、真似られることを発信し、変わり続けていくこと。そうしないと「真似が上手なことが戦略」になってしまう。それは、「戦いを略す」という本質からははずれていく。どっちが上手く真似たかという不毛の競争は、どこかで行き詰まりがやってくるというセオリーの呪縛から逃れられない。

チラシも同じに見える。
テレビショッピングも代わりばえしない。
ウェブで飛んだ先のLPも全部一緒。


通販業界のみんなが目指す「真似るの塔」は、砂上の楼閣である。
あまりに脆いっ。わかりやすく言うと、真似できる販促手法なんてものは、そこそこできる営業マンだったら保持している能力を分解しているようなもので、決して、一生モノのテクニックではない。一流の営業マンは、とっくの昔に、そこから逃げているはずである。

一流の営業マンなら、目の前の女性の年齢や困っていることから家庭環境や恋の状況を察しして、次々に、フォルダから、数々の営業パンフをその人の見たいものだけを順番に並べて行くだろう。そういう一流の営業マンに匹敵するようなLPの世界が、もうそこまで来ている。

株式会社ペンシル 代表取締役 覚田義明さんのご紹介
株式会社ペンシルは、福岡に在る最大のウエブコンサルティング会社(前期売上げ12億6千万円)。福岡に在りながら、ライオンやカゴメ等の大手メーカーで実績をあげる注目の企業である。

代表取締役社長である覚田義明氏は、子供みたいな大人。大人みたいな子供の私とは、10年以上のお付き合い。互いにお友達の少ない方の経営者である。業界では、敵が多いという評判も確かにあるが、それは「正しいことを大きな声」で言うから「LPとセックスレスと2歳の息子と」・・・これは、このインタビューの時に、覚田氏が考えてくれたコラムタイトル。なかなかチャーミングな48才である。

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中村 修治

有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。 その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。

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