唐澤理恵さんのコラム「ツバを吐く男 Part2」に触発されて、少々、現代人の意識の変化について考察してみたい。
ツバを吐く行為についてもそうだ。路面に未舗装箇所はもはやない。土のある植え込みもきれいに整備され、花などが植わっていたりする。簡単にツバを吐く場所などない。すると、場所を選ぶ努力を放棄してしまう。ティッシュを使えばいいだろうと思うが、そこまでの努力は厭う。結果、そのまま吐き捨てる。
人によって清潔さを保つことに対するストレスは異なるし、ストレスに対する耐性、許容量も異なる。同じ都市という空間を共有する人々同士のその差異がトラブルを生む。ごく下らないことでいさかいが起る。
もはや見慣れた風景になりつつある、朝の小競り合い。清潔な都市空間からの逃亡者と、その規範内に留まる者の喧嘩であることも少なくないのだろう。
都市美化の動きは止まることはない。非喫煙者としては歓迎だが、無用なトラブルは遠慮したい。しかし、美化された路面に吸い殻やツバを発見するのもうれしくない。
どこかに“抜き所”を作るべきかもしれない。あちらこちらに整備されつつある喫煙所もいいだろう。ツバをどうすればいいのかはわからないが、都市に住む者同士が共存するため、もう少し知恵を絞る必要がありそうだ。
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2008.06.26
2008.06.26
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。