新入学・新入社の人たちを迎えるコミュニケーション留意事項

2012.04.04

経営・マネジメント

新入学・新入社の人たちを迎えるコミュニケーション留意事項

増沢 隆太
株式会社RMロンドンパートナーズ  東北大学特任教授/人事コンサルタント

新入社員や学生が入ってきました。新たな環境になじむまでそこそこ時間がかかります。迎える側の会社や学校はこの時機にきちんとしたコミュニケーション教育が必要です。特に馬鹿発見器対応は絶対に欠かせません。

毎年4月は新入社員研修や講演に加えて、大学で新入学生の対応もしている私です。
そんな時は細かいことはどーでも良いので、社会人として、絶対に犯してはならないクリティカルなことを自覚してもらうようにしています。

今なら「ネットリテラシー」です。特にサービス業・外食・小売等、直接お客様と接する職務に新たに就く場合、学生時代のノリが抜けないとたいへんなことになります。馬鹿発見器に引っかかるようなことは、雇入れ企業にとっても致命的になるだけでなく、社会人としてのキャリアを直撃する大問題になります。

ある学生の会合にゲストで呼ばれた際、「われわれ若者は生まれながらにしてIT環境にいる。今の中高年に比べて、そこは優位性がある」という意見を聞きました。私は同意できません。もちろん会議で「俺はメール見てないからそんな話は知らん」と堂々と言ってのける、全く社内メールの意味を理解できないバカたれ中年をたくさん見ていますし、パワポ資料を全部プリントしないと満足できないヒトたちもたくさん知っています。

しかし若者がITに通じているか?といえば、いつもと同じで恐縮ですが「人による」と思います。
私が研修で伝えるのは「インターネットって公衆の往来ですよ」ということなのですが、こんな当たり前のことを全く理解できていない若者はいくらでもいるのです。特にガラケーの異常発達によって、むしろ今の若者の方がPC能力は落ちているのでは、と感じます。

私の個人的カンですと、これまた人によるんですが30代後半~50代前半、インターネット創成期にネットで遊んでいた世代は、むしろITリテラシー/ネットリテラシーは極めて高く、逆に今の10代~20代半ばくらいの人たちは、PCよりケータイ世代が多く、それらのリテラシーに劣る人が少なくないというものです。
ミクシやヤフー知恵袋やらで質問し、「そんな(個人的事情や背景等)の知るかボケ」「ggrks」というリプライが集まるのも、ネットの特性が理解できていない人たちによるものです。

ネット「炎上事件」が後を絶ちません。
アルバイト先のお客情報をツイッターやミクシやフェースブックで書き散らし、それがばれて勤務先・学校、本名から住所から親兄弟の写真までさらし者にされる。ほとんどこの辺りの年齢になります。
有名大学の学生ですらなんでそんな犯罪自慢をしてしまうのか理解に苦しみますが、飲酒運転やら残飯をお客に出したやら、有吉さんのツイッターに犯罪予告を書くやら、いっこうに収まる気配がありません。
AKBグループでも禁止されている恋愛について日記に書いてしまい、それが原因で引退を余儀なくされるなどが起こっています。匿名ならわからないと思ったのかもしれませんが、ネットで匿名は基本無い、と考えるべきでしょう。

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増沢 隆太

株式会社RMロンドンパートナーズ  東北大学特任教授/人事コンサルタント

芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。

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