前回、ナレッジマネジメントによる組織改革をマーケティングの手法で展開する基礎として、環境分析を3CとSWOTで行った。次なるマーケティングの基本はS・T・P、「セグメンテーション」「ターゲティング」「ポジショニング」である。S・T・Pを如何にナレッジに適応していくのかを今回は考えてみよう。
■ナレッジマネジメントを失敗しないための必須要件
かつてナレッジマネジメントは企業において一種のブームを形成していた。いくつもの成功例もある。しかし、それより多くの失敗例も残っている。失敗原因はいくつかの理由があるが、2回に渡って述べてきたように、自社の環境に適応するような導入をしていなかったり、導入に際してSTPを考慮しなかったりというケースが多い。その根底には、単純にシステムを導入すれば何とかなるという安易さが見え隠れしていた。
さすがに数々の失敗例を前にして、安易な導入を行う企業は減り、ブームは一服したかにみえた。しかし、企業内でドキュメントデータが爆発的に増加し、それを検索・抽出できる優秀な検索エンジンが新たに開発されたことを背景に、「エンタープライズサーチ」というキーワードが注目されるようになっている。
エンジンが優秀になっても、ここまでに述べてきたとおり、その前提が整理されなくてはうまく活用することはできない。せっかく導入するソリューションが、本当に「問題解決」するためには、安易なシステム依存を戒めることが必要なのだ。
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2007.12.04
2008.03.05
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。