欽ちゃん、ナベツネ~『脱・老害の傾向と対策』。

2011.12.12

営業・マーケティング

欽ちゃん、ナベツネ~『脱・老害の傾向と対策』。

中村 修治
有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

Googleで検索すると「老害」に関連する検索キーワードには、次のような個人名が上がる。「三宅久之」「東郷平八郎」「宮崎駿」「萩本欽一」・・・。

現役世代の民意とは、「脱・老害」なのである。

保守とか革新とかよくわからない。右傾とか左傾とか、そもそも関係ない。思想や信条では、大衆は動かない。消費社会が成熟し買いたいものが根本的に少なくなる。社会が高齢化し行き詰まった先に現れて来たのは、世代間対立で動きだす民主主義国家なのである。

民意が多数決で決定されるなら、日本はこれからずっと「老人のための国家」となる。お年寄り達の現在の幸福を支えるために、お年寄り達が利権争いをする・・・そういうことが続くことになる。この現実的なリスクへの対抗策が、若者達のテレビ離れや消費意欲の減退という現象で現れている。「結局、お年寄り達に利権やお金が集中していくなら、そんな手伝いなんかしていられるかっ・・・」これが、サイレントテロである。

私も、既に49歳・・・初老の仲間入りである。お年寄りのすべてを悪く言うつもりはない。しかし、「老害」の人達がこぞって口を揃える「昔は良かった論」には、素直に頷けない。1953年生まれで58歳になる山下達郎氏は、「最近、音楽の質が低くなった、昔の音楽は良かった、という人がいますが、それは違います。昔も質の低い音楽はたくさんあった。低質の方が多かった。でもそれらは時と共に忘れ去られ良いものだけが残ってる今だから昔の音楽は良質のものばかりという印象を受けるのです」と発言されている。

過去ばかりを美化すると、未来が衰退していく。その自覚がないのが「老害」の根本的問題である。みんな若いときがあった。他人に言えない悪いこともした。年寄りのキレイ事が大嫌いだった。そういうことを忘れたかのような振る舞いを、いまを生きている若者達が信用するわけがない。

若いときの悲喜交々を忘れて我欲を語る「老害」が跋扈するほど、この日本の景気は冷える。ブレーキを踏むことを知らないアジアの脅威をバカにしかできないお年寄り達が経済界を支えている内は、日本は、本質的に開国できない。

いまさら60歳を越えた人達の意識を大きく変えるのは、難しいだろう・・・であるなら、大事なのは、、、私達40代の役割である。「老害」と「若者達」の間に挟まれた私達世代の価値観や行動が、今後10年の日本の未来を決定するのではないかと考える。

受験戦争も経験した。バブルも知ってる。リーマンショックでへこんだ。右肩下がりのこの時代に、役職を全うしている我々が、老害と呼ばれている人と同様に、利権を追い求めて右往左往するのか。世代間対立で動き出した民主主義の行く先を占うのは、私達世代の価値観と美意識である。

特に、私のいる広告業界の役職の人達に多く見られる、「いまだに10代の頃憧れていたあの人と仕事したいみたいな仕事ぶり」には辟易する・・・その行く先は、「老害」のなにものでもないっ。

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中村 修治

有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。 その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。

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