Z会といえば大学受験のための通信教育の老舗。東大・京大合格者のうち、実に毎年そのほぼ半数がZ会出身者と、日本のトップ大学に関して驚異的な合格者占有率を誇る。圧倒的な実績を持つ通信添削システムは一体、どのようにして開発されたのだろうか。そしてなぜ、長年にわたって東大合格者の約半数もがZ会ユーザーなのだろう。同社四代目社長・加藤文夫様にZ会の秘密を教えていただいた。(インタビュー&構成 by竹林篤実)
「そこでWebを使えば、もっと個別に最適化された教育ができますね」。
キーワードはハイブリッドとオンデマンドである。通信教育と対面教育の良いところを組み合わせるのがハイブリッドだ。仮にこれを合体と意訳するなら郵便と朱書きを組み合わせて当時としては画期的な通信添削を立ち上げたZ会創業時の再現でもある。
またネットを活用したオンデマンドの基本的な考え方は、必要なときに必要な場所で必要としている難易度の教材を必要としている分量だけ提供するというもの。印刷物のように内容やボリュームが固定されたメディアではなく、ネットを使えばこそ実現できる教育サポートである。
その『ソリューション』の対象はどこまで広がるのだろうか。たとえばあらゆる業界から有望マーケットと狙われている団塊の世代をZ会はどう見ているのか。この問いに対して加藤社長からは明確な答が返ってきた。すなわち「要は団塊の世代の方々に対して我々には『教えたい』ことがあるのかと。心の底から教えたい、これだけは学んでもらいたい。そう思えるテーマがあるならやればいいと社員には言っています」。
単に団塊世代がマーケット的にボリュームがあるから、ビジネスになりそうだからというだけでは絶対に手を出さない。その考え方は本末転倒ではないかというのがZ会のポリシーである。日本で培ってきた通信教育のノウハウを海外展開してみては、という問いに対しても加藤社長からは同じ答が返ってきた。
そこにマーケットがあるから、では決してなくて。そこにいる人たちに「教えたい」気持ちありき。これが創業者以来脈々と受け継がれてきたZ会のDNAである。「教えたい」気持ちを純化させ、合理的なシステムとして構築し、常に時代に合わせてブラッシュアップを重ねる。たゆまぬ努力の結果が、東大・京大合格者のほぼ半数がZ会出身者という驚異的な実績につながっているのだ。
(第四回 教えたいがZ会のテーマ、これまでも、いつまでも/全四回 - 最終回 )
第一回「教えたい思いが生んだ添削システム」
http://www.insightnow.jp/article/585
第二回「限られたお客様に最高のサービスを」
http://www.insightnow.jp/article/626
第三回「一期一会の精神で子どもたちと接する」
http://www.insightnow.jp/article/663
※期間限定、Z会が作成した難関大対策の問題をプレゼント中!(高2生対象)
http://www.zkai.co.jp/high/ad/trial/
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FMO第1弾【株式会社Z会】
2007.10.31
2007.10.24
2007.10.17
2007.10.10