ここ数年で一気に増えたFC(フランチャイズ)塾。その中でも個別指導の勢いはすさまじい。 現在、30社以上の企業で個別指導塾のFCを展開をしている。各社とも加盟者獲得に向け、商品やサービスはもとより、ビジネスモデルの差別化に入っている。変わりゆくFC塾、その中でも個別指導塾を徹底的に取材した。群雄割拠に入った個別指導塾FCを比較し、今後の動向とその先にある展望を迫った。
いよいよ動き出した集団指導塾各社
集団グループは、豊富な資本を背景に個別指導教室展開を図っている。個太郎塾、城南コベッツ、京進スクール・ワンのように100教室規模の企業が増えてきた。授業研究熱心な集団指導塾らしく、教務システムに力を入れているケースが多い。しかし集客面では、老舗グループや勢いのある新興グループの水準には達していない教室も見られる。これは企業として、主力事業である集団指導に資本や人材を集中してきた歴史があると考えられる。
ただし、ここ数年はこの傾向も薄れ、個別部門に力を入れる集団指導塾が増えてきた。個別指導FC部門の売上が前期比で150%超の企業もあるように、実際に多くの集団指導塾の個別指導FC部門の収益は伸びている。また、いち早くデジタル教材を導入するなど、ITの活用も活発である。
対象年齢層を広げる異業種FC
異業種グループでは、ナガセが映像授業の老舗として「東進衛星予備校」を展開してきたほか、小学校英語導入に合わせ、東進こども英語塾を全国2万2千教室をめざして展開中。また、㈱日能研関東と㈱河合塾進学研究社(河合塾グループ)による共同出資により設立された、「学習教室ガウディア」。
これらのパッケージの対象は、小学生や幼児といった、いわゆる今までの個別指導では対象になり難かった生徒層である。ECCは、自宅に居ながらオンラインで授業が受けられるウェブ中学生個別指導を開始した。
さらなる拡大に向けて、老舗グループの次の一手は
老舗グループは、教室展開においては全国を網羅することを前提にしている企業が多いなか、明光義塾やスクールIEのように、グローバルに海外展開を行う企業も出てきた。同時に、新商品やサービスの開発も活発である。
個別指導のトップランナーである明光義塾は、早稲田アカデミー(㈱早稲田アカデミー、瀧本司社長、東京都豊島区)と、進学実績を重視する個別指導「早稲田アカデミー個別進学館」のFC展開を予定しているほか、「明光キッズ」ブランドで学童保育併設型の教室展開や、昨年12月には米国のアート教育プログラム「アブラカ ドゥードル」の国内FC権の譲り受けることが決まっている。
スクールIEは、英会話や幼児教室、英語による学童保育の併設に加えて、自分力を高める商品を開発しサービスの向上を図る。ITTO個別指導学院のジー・エデュケーションは、リーダーシップ開発講座の7つの習慣や英会話のNOVAを組み合わせた「みやび個別指導学院」や、講師も生徒も女性に限定した個別指導塾「すみれ個別指導学院」の展開を昨年から開始している。グリーンシート銘柄の名学館は、名学館EXCELの展開や、ガウディアの導入を始めている。ペガサス、学研CAIの両社は、デジタル教材が脚光を浴びる前からPCを使った自立学習教室を展開してきた。
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2011.09.16
2011.10.07
株式会社経営教育研究所 代表取締役
教育ビジネスのアナリスト/コンサルタント。専門はフランチャイズ(FC)とデジタル関連。個別指導FCやベンチャーなどの教育機関を経て、2009年に民間教育シンクタンク経営教育研究所を設立。教育と異業種を結ぶエデュイノベーションLLPパートナー。