全国に店舗を増やし、快進撃を続けている丸亀製麺。 その強さの秘訣を、サービスサイエンス的アプローチを用いて、解き明かしたいと思います。 そこには、表面的には見えてこない、成程と思わせる仕掛けがあるのです。
さらに、店舗に足を踏み入れるとすぐに目の前に飛び込んでくるのが、うどんの製造工程現場。うどんの粉からうどんにする製麺工程、それを茹で上げる工程に、それぞれ専門の職人がついて、てきぱきと作業をしている環境をつぶさに目にすることができます。
普通のうどん屋では、おやじが奥の厨房で作るので、どうやって作っているのか知る由もありませんが、丸亀製麺の場合は、このプロセスの見える化の仕組みによって、お客様に「安心感」と「好印象」を与えているのです。
それに加えて、普段見慣れない作業現場を見ながらお客様は順番待ちをするので、通常は苦痛以外何物でもない待ち時間も、アトラクションの一つに変わり、お客様の満足度を高めているのです。
つまり、丸亀製麺は、「共感性」を除いた「正確性」「迅速性」「柔軟性」「安心感」「好印象」の5つものの品質を管理しサービスをしているのです。
ほとんどの日本の企業は、「人による顧客満足度の向上」を頑張っています。通常のレストランや飲食店も店員やウェーターが頑張ってきました。しかし、これには限界があり、また、人のやることですから再現性に問題があることが多いのです。
ところが、丸亀製麺の場合は、「仕組みによる顧客満足度の向上」を追求し、高品質でかつ安定したサービスを提供することで成功しているのだと思います。
このように、一見すると何故儲かっているか分かりにくいサービスモデルも、サービスサイエンス的アプローチを用いることによって、分解してみると、その理由が分かってきます。
この丸亀製麺を凌駕するうどん店は何か?と考えると、丸亀製麺に欠けている唯一の品質である「共感性」を加えて、先の6つのサービス品質全てを網羅するうどん店といったところでしょうか?
お客様がどんなうどんを欲しがっているかを事前に察知し、提供する仕組みを確立できる人は、是非競争相手として出店してみる価値はありそうです。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
サービスサイエンス
2013.10.21
2011.07.02