東電の幹部の方々は、ウルトラマンから何も学ばなかったのか?

2011.04.07

ライフ・ソーシャル

東電の幹部の方々は、ウルトラマンから何も学ばなかったのか?

中村 修治
有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

東北関東大震災の復旧を大きく妨げている福島原子力発電所の事故。いつ終わるかわからない、この日本の、人類の危機に、私達のウルトラマンは、やって来なかった。でも、この機会に思い出してもらいたい屈指の名作がある。

人間の無責任から始まった暴走は、個人の勇気とローテクでしか防げない。
そうやって戦っていった勇気ある市井の人達は、偽善の言葉に刻まれた墓に埋葬されていく。
科学の進化の陰で、人類繁栄の陰で、「隠蔽」と「偽善」が繰り返される闇がある。

誰が正義で誰が悪なのか?なんて問わない。
少なくとも原子力がつくる電力の恩恵を受けてきた我々が、
きれい事だけで、いまいちばん満足できる「答え」を出せるなんて思っていない。そんな正義がないことをウルトラマンが身を挺して教えてくれたではないか。

ジャミラとウルトラマンの戦いを見て育ったであろう良い歳の東京電力と政府の方々に、こう伝えたい・・・。

我々の故郷は地球である。
だったら、汚染された水を海に放水することくらい事前に報告しようよ。

善も悪もない「正義」の実行のためには、「矛盾」はつきものだ。
だから、「苦悩」を見せもしないで賢そうに振る舞うのは、もうやめようよ。

その口で言った最善策が、次の危機を生み出したことを正直に詫びようよ。

いまは、誰も正しくないことを認めようよ。

私達は、ジャミラの全身を覆うひび割れた身体からしたたり墜ちる「水」から、この世の矛盾を学んだ。福島原発のひびから漏れる「水」にまつわるあれこれを見て切に願う。あれから45年、政府や東電の幹部の人達のこころに、あのウルトラマンがもう一度飛んできてくれることを・・・。

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中村 修治

有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。 その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。

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