坂口安吾が『堕落論』を発表したのは終戦直後。「半年のうちに世相は変った」で書き出されたエッセイは、当時の若者たちから絶大な支持を得た。
有事の今こそ、「平凡さ」や「平凡な当然さ」に、国民が気づかなくてはならない。
お金儲けすること。消費すること。それがアイデンティティーで、自己実現だとすり込まれてきた世の中から「墜ちる」覚悟が必要なのだろうと考える。政治家は、「選挙に墜ちたらただのヒト」になる。それを恐れて、みんなが躍起になる。「選挙に墜ちることを恐れている人達」は、「平凡さ」や「平凡の当然さ」を怖がる。「墜ちる」覚悟がないから、恫喝もするし、多数派にしがみつく。そういう
「墜ちる」覚悟がない政治家が組織する「復興庁」は、本当に、良い復興策を推進していけるのだろうか。
甚だ、疑問である。管総理をはじめとする民主党の皆さんが、「堕ちる道を堕ちきることによって、自分自身を発見されること」を祈る。私は、今回の復興が達成するなら
「選挙に墜ちて→平凡な生活を送っても良い」と言い切れる、そういうリーダーシップを見せていただきたい。
平成版『堕落論』を地でいく、政府の活躍を期待する。日本国民は、いま「平凡さ」や「平凡な当然さ」に気づきはじめたのだから・・・。続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
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有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役
昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。