お客様の依頼に対しては、全社員が「担当営業マン」の気持ちで対応する。この全社一体の顧客対応力がアシストの何よりの強みだ。実際、アシストの広報誌『お客様の声』の取材で伺ったお客様からは、こうした評価をよく聞かせていただく。 しかしである。社員数が800人を超えると、組織は縦割りとならざるを得ず、その機能も細分化される。勢い、何らかの弊害が出る恐れもある。アシストも大企業病を患いつつあるのだろうか。
議論の結果、生まれたのは『秘文』『PowerPlay』『JP1』の3つを組み合わせた「秘文の操作ログ分析レポート」のテンプレートだった。テンプレートのサンプルを見た顧客の反応は上々、「まさにこれこれ。こういうのが欲しかったんだよ」と高い評価を得た。
やがてこのテンプレートは、さらにブラッシュアップを重ね『秘文ログ分析エントリ・パック』として商品化される。まさにスタッフ数が少ない福岡営業所だからこそ、短期決戦型で実現した商品といえるだろう。この福岡営業所の対応こそが、以前の、そして本来のアシストの姿なのだ。
■1人何役もこなす
坂本は、独自の嗅覚で沖縄のマーケット開拓にも成功している。沖縄は、大都市圏とはマーケット構造が異なる。そこで『PowerPlay』をどう売ればいいか。売れ行きが伸び悩んでいた『PowerPlay』拡販のために坂本は、担当営業と共に沖縄を訪ね、自ら顧客のところに出向いていった。ターゲット・ユーザをまわり、地道なヒアリングを重ねた結果、出てきた結論が、機能を絞り込んだ低価格で簡易版の『PowerPlay』の提供だ。これが沖縄での新たなユーザ開拓につながった。
今やアシストの各ユーザ会で配布されるようになった『ユーザ会新聞』の創刊にも坂本は関わっている。キッカケは、統合運用管理ツール『JP1』のユーザ会が福岡であった時のこと。ある先輩社員が「ユーザ会の議事録を、通常の議事録フォーマットではなく、新聞形式にしてはどうか」と思いついた。確かに普通の議事録だと送ってもなかなか読んでもらえないが、慣れ親しんだ新聞形式なら手にとってもらいやすい。
▲アシストの各ユーザ会で配布されるようになった『ユーザ会新聞』
話を聞いてピンと来た坂本は、直ちに行動を開始する。新聞の原稿は自分が担当し、レイアウトはデザイン系のソフトに詳しい同僚に協力を求めた。できあがった『JP1ユーザ会新聞』は、狙い通り顧客から好評を得たという。
やがてユーザ会新聞は、坂本が担当するマニュアル自動作成ツール『Dojo』ユーザ会でも採用され、さらにはWebFOCUSユーザ会や、アシストのプライベートイベント「アシストフォーラム」へと広がっていった。
「福岡営業所は人数も少なく、市場も限られていることから、1人何役もこなすのは当たり前。いろいろ工夫してお客様のニーズを満たさなければ、商品やサービスを買っていただけないんです」。この坂本の言葉こそが、アシスト・スピリットの本質である。
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株式会社アシスト
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