お客様の依頼に対しては、全社員が「担当営業マン」の気持ちで対応する。この全社一体の顧客対応力がアシストの何よりの強みだ。実際、アシストの広報誌『お客様の声』の取材で伺ったお客様からは、こうした評価をよく聞かせていただく。 しかしである。社員数が800人を超えると、組織は縦割りとならざるを得ず、その機能も細分化される。勢い、何らかの弊害が出る恐れもある。アシストも大企業病を患いつつあるのだろうか。
■温故知新?
いつしか『不機嫌な職場』になりかけているアシストを、どうやって元通りの『ゴキゲンな職場』に戻すのか。今よりもうんと社員が少ない頃には自然にできていた、社員一丸となったお客様対応を復活させるカギはどこにあるのか。改善のヒントは、意外にも地方の営業所にあった。
アシスト福岡営業所は、営業とアシスタントが合わせて10名、技術7名と総勢17名体制で、沖縄を含む九州8県と山口県の合計9県をカバーしている。営業所はスタッフの数が少ないために、一人ひとりができる限りの対応をしなければならない。つまり組織が小さいがゆえに、創業当初のアシスト・スピリット「1+1=∞(無限大)」をめざす協働の精神が生きているのだ。
その福岡営業所に技術職担当の坂本淳子がいる。坂本の動きこそ、まさに本来のアシスト・スピリットそのもの。お客様のためを第一に考え、単なる「技術担当者」の枠を超えた行動が、様々な結果につながっている。
■技術者間の連携
ある日のことだ。坂本は聞くともなく、隣席にいる先輩たちの会話を耳にしていた。話は、情報漏えい対策ツール『秘文』ユーザからの要望らしい。
「当社には『秘文』のログがたくさん貯まっている。『秘文』のログは暗号化されているため、ログの改ざん防止対策は万全だ。しかし、暗号化されているがゆえに、ログの中身を見たり、分析結果をまとめるなどの活用ができていない。社外持ち出し禁止の情報にアクセスを試みている社員をチェックしたり、持ち出されたファイルを月次ベースで自動的にレポート化したいのだが………」
情報漏えい対策などの内部統制対応は、企業にとって重要な課題である。ただログは安全に貯めるだけでは不十分で、その内容を分析してこそ活きてくる。とはいえ『秘文』のログは暗号化されていて、簡単には扱えない。ログから自動的に、何らかの兆候を見つけられるようにできないだろうか。これが顧客の要望である。
いつしか話に引き込まれ、耳を傾けるように聴いていた坂本の頭には、要望に応えるアイデアが閃いていた。自分が担当するビジネス・インテリジェンス(BI)ツール『Cognos PowerPlay』と、ジョブ管理ツール『JP1』を組み合わせれば、いけるんじゃないか。
先輩たちの話に割り込むように坂本は、アイデアをぶつけてみた。坂本の思いつきを起点として、新たなディスカッションが始まる。こんなふうに「お客様のために、その場にいる誰もが、すぐに一丸となって考える」姿こそがアシストの真骨頂である。
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株式会社アシスト
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