大きな動きでみれば「第三次」となるのか、「秋の陣」ともいうべき緑茶飲料の戦いが激しさを増してきた。 各社の動きをみれば、「量少なめ、値段高め」の「プレミアム戦略」が主流のようだが、果たして市場に受け入れられるのか? 生活者視点を交えて各社の戦略を比較してみよう。
おーいお茶の量と価格はボトルの背の高さは従来の500で内容量は350というスリムサイズ。
そして価格はほぼ従来の500と同じ。非常にバランスが良いように思える。
実は容量と価格の比率は綾鷹より高くつくが、計算して購入するコストコンシャスな層以外は、従来の500と350の中間でかつ、150円以下という切りのいい価格は受け入れやすいのではないだろうか。
このあたりのバランス感覚は、業界のパイオニアであり、生茶対抗以来、様々な商品バリエーション開発に腐心してきた伊藤園の底力を感じる。
さて、ある意味一番勝負をかけているのが生茶玉露だろう。
価格こそ、150円以下に抑えたが、容量が明らかに少ない。ボトルの形状も独特だ。
容量と価格の比率は三銘柄の中でも突出して高い。
考えてみると、250mlに近いコンパクトな容量。
量よりも味に集中する方向性は缶コーヒーに似ていないだろうか。
緑茶飲料は、味もさることながら、食べ物と共に摂ったり、喉の渇きを癒したりという目的に供される事が多いだろう。
だとすれば、生茶玉露はプレミアムの中でも、より「嗜好品としてのペットボトル緑茶飲料」という新たな地平を目指しているのかも知れない。
このようにして比較して、様々な推察を加えると、各社の狙い、戦略を覗いてみることができる。
飲料の世界は正に「勝負は水もの」なので、実際にはどの商品が勝者となるか分からないが、こ背景を考えるといつもの商品が違って見えてくるだろう。
一生活者の視点とマーケターの視点を併せ持つと、自分のビジネス以外も面白く見えてくることを実感していただければ幸いだ。
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2007.11.08
2007.12.04
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。