顧客への「満足ですか?」「不満足ですか?」という問いかけは、はたして企業・組織に進化をもたらすのだろうか?
それに比べると、「親しい人に紹介する」という回答は、人に勧めてくれるし、人に勧める以上は自分でもまた買いますよと言っているのでしょうから、収益に貢献してくれる可能性の高い顧客であると考えられます。顧客満足度調査では評価が高いのになぜ収益性が上がらないのか、という多くの企業が首をかしげる問題を、この問いは鋭くついています。
三つ目は、目的がたった一つ「顧客に推奨者になってもらうこと」であり、問いの数もたった一つなので、分りやすいこと。ありがちなのは、モレのないようにありとあらゆる観点から作成した沢山の質問を顧客にぶつけた結果、実に多様で色々な分析・理解ができるものが出てきて、それを見ても具体的にどうしたらいいかが分らないような調査です。
そのような調査は、ちょっと賢そうな分析がなされて、見てくれの良いレポートにはなるかもしれないけれども、そこで終わり。顧客の評価をまとめるのが目的になっているかのようです。それに比べて究極の質問は、「親しい人に勧めてもらうためにどうすれば良いか」という目的に思考や議論を集中させることができるので、具体策も出てきやすくなるのは当然です。
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2020.03.17
2010.03.20
NPO法人・老いの工学研究所 理事長
高齢期の心身の健康や幸福感に関する研究者。暮らす環境や生活スタイルに焦点を当て、単なる体の健康だけでなく、暮らし全体、人生全体という広い視野から、ポジティブになれるたくさんのエビデンスとともに、高齢者にエールを送る講演を行っています。