今日もデザイン寄りの話です。 なお、私はデザインの専門家ではありません。 偉そうなことを書き散らしてきてはいますが、 実態はたいしたことない・・・(^_^; デザインについては、あくまで私も勉学中の身。 ですから、「それは違うでしょう、松尾!」などと、 ぜひいろんな方の反論をお待ちしております。
さて、全国のビール好きの皆さん、
(そうでない方、すいません)
3月20日発売の「キリン・ザ・ゴールド」はお試しになりましたか?
このビールは、
「隠し苦味」
というのが最大のウリです。
ただ、この意味は、Webサイトの説明を読んでもよくわかりません
でしたが・・・
実際飲んでみた感想として申し上げると、
「爽快感のある苦味」
麦芽100%ですし、結構いける!と思いました。
しかしながらこの新ビール、売れるでしょうか?
発売当初はそれなりに売れるとしても、果たして
「定番化」できるでしょうか?
私は、「ちょっと難しいかな」と感じています。
味はまあ確かにおいしいけれども、際立った個性はありません。
つまり、「味」だけでリピートは得られないように思います。
一方、キリンさんの販売力には定評ありますから、
これはOKとして。
引っかかるのはパッケージデザインですね。
写真より、実物を手にとってもらうとわかりますが、
全体的にとてもおとなしい。「ビールらしくない」顔つき。
他のビールは、おおむね派手な色使いで、ごちゃごちゃ
文字が入っていますが、それと逆路線なんですよね。
でも、「上品さ」はあるけれど、か細い印象を与えます。
結果として、店頭で
「これ飲んでみたい」
というワクワク感、シズル感を与えることができていない。
特に、缶上部の「マット(つや消し)な薄い金色」が
こんな弱い印象を生み出しているように思います。
実は、この金色、販売直前まではピカピカの派手な金色
だったそうです。ところが、女性社員から、
「大阪のおばちゃんが身に着けていそうな金色に見える」
と指摘されて、きゅうきょ、この薄い金色に変更したの
だそうです。この変更は果たして適切だったのか・・・
このパッケージデザイン、
キリンでは、昨年夏にデザイン会社数十社に声をかけ、
500案もの提案を受けたそうです。
(日経デザイン、April 2007)
その結果選ばれた今回のデザインの基本方向は
「ビールらしさをいかに払拭するか」
でした。
そして、日経デザインの記事に書かれているのですが、
このデザインにおいて最もチャレンジングな点は、
「店頭での目立ち具合よりもむしろ、
手に取り部屋に置かれた時の雰囲気にマッチするかを
重視したこと」
なのです。
ですから、キリンさんとしては、
私が指摘するような、店頭での「引きの弱さ」は
織り込み済ではあるんですね。
さて、このチャレンジは成功すると思いますか?
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2007.04.12
2007.08.02
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。