メタ認知力を磨け!

2007.08.02

ライフ・ソーシャル

メタ認知力を磨け!

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

いい仕事、とりわけ、新商品開発やコピーライティングなど、 「創造的な仕事」、「表現する仕事」で成果を出すために 欠かせない基礎能力、それは、 「メタ認知力」 です。

これは、自分の行動や生み出したものを

「客観視」

できる力のこと。

イメージ的には、もう一人の自分が身体から離脱して、
斜め後ろ上方から、自分を眺めているような感覚ですね!

ですから、人によっては、「メタ認知」のことを

「幽体離脱」

などと言う方もいます。

かくいう私も、

「メタ認知力」

をできるだけ高めたいと長年意識してきたんですが、
最近、改めてこの重要性に気づかされました。

それは、私が参加しているゴスペルグループで
歌の練習をしていた時でした。

私はこれまで、ちゃんとした歌のレッスンを
受けたことはなかったのでよく知らなかったのですが、

「歌う技術」

も、実に奥が深いんですね。

練習では、プロの先生の指導を受けつつ、
たとえば「声を出す方向」をいろいろと変える練習をします。

・まっすぐ前に出す
・斜め上にほうり投げるように出す
・斜め後ろにだす
・真下に落とす
・頭の真上に、もやもやとけむりが立っているように出す

など、確かに、このような声の方向をイメージをしながら
声を出すと、声の方向が変わるのが実感できます。

プロのボーカリストは、こうしたテクニックを駆使し、
声の「音色」や「強さ」にメリハリをつけることで、
聴き手を感動させる歌を歌うことができるというわけです。

ただ、こうしたスキルがどんなに上達したとしても、
優れた歌い手になるためには、

「歌に没入している自分を、
 もう一人の冷静な自分が見ていなければならない」

ということを先生から指摘されたのです。

逆に言えば、単に、自分の感情のおもむくまま、
好き勝手に歌うのではダメだということなのです。
(どうせ誰も聞いていないカラオケならOKでしょうけど。)

優れた歌い手は、メロディや歌詞を自分なりに解釈し、

「私はこのように歌いたい」

というイメージ(ゴール)を明確化し、その上で、

「そのイメージを実現するためには、
 どんな歌い方をするのが最適か」

をもう一人の冷静な自分がモニタリングしながら歌う。

もし、ライブステージで歌っているのなら、
会場の音の反響の様子や、聴衆の反応をリアルタイムで
チェックして、臨機応変に表現のスタイルを変えていく。

これは、もう一人の冷静な自分がいなければできないこと。

いわば、

「熱くなっている自分」

「冷静な自分」

が対話しながら、歌という表現を作っていく。

これこそが「メタ認知力」です。
そして、これができるのが「真のプロ」だと言えます。

新商品開発などでも同様ですよね。

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有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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