前回まで自分自身の成長を楽しみながら取り組むことが大切だ、ということを話してきました。今回は、そうした大事なことをさらに明確にするために、将来に向けた時間の使い方、日々の時間の使い方を見直す、「時間マトリクス」と、「スケジューリング」についてお話します。
■□■ 時間マトリクスとは? ■□■
若手社員のうちは、覚えることも多く、先輩や上司から降ってくる仕事も多く、大変です。時間がいくらあっても足りないというのが実情かと思います。
前回までに書いた、5年後の成功イメージを実現するための行動や、ミッションステートメントに沿った行動というものには、今日明日やらなくても困らないけれども、長期的に見ると重要でコツコツ取り組まなくてはならないことが多いのではないでしょうか。
ところが、分かってはいてもついつい目の前の緊急なことにおわれて一日が過ぎていき、長い目で本当に重要なことに手がつけられないという経験を誰でもしているものだと思います。
こうした「緊急なこと」と「重要なこと」という点に着目して、行動の優先順位を見直すフレームが「アイゼンハワー方式」と呼ばれるタイムマトリクスの考え方です。
第34代のアメリカ大統領だったアイゼンハワー氏が考案したことから、この名が着いているものです。有名なところでは、コビー博士の「7つの習慣」の中にもこの考え方が取り上げられていました。
■□■ 第二領域にさらにシフトする ■□■
四つの領域を見ていくと将来のためには、第二領域が重要であることがわかります。【第三領域】と【第四領域】に属する行動をいかに止めて【第二領域】にシフトするかを考えてみる必要があります。
【第四領域】は限りなくゼロに近い私としては、「高質な生活を維持し将来のために準備するための第二領域」を、さらに充実させるためには、どうしたらいいのか、考えています。
≪将来に向けた時間の使い方≫
〇第三領域に該当する行動をなるべく減らす努力をする
(実は第三領域なのに第一領域と勘違いしている行動も多いものです。)
〇第一領域の中でも、実は思い切って止められるものがないか検討する
〇日ごろの生活の細切れ時間を、なるべく第二領域に使う
こうしたことを再度意識しなければいけないと考えています。
大事なことに日々集中していくためには、今ここで困らないことでも、将来のための重要性を念頭において取り組んでいく、意思の力、主体性が必要です。
■□■ まず、第二領域のスケジュールを先に入れてみよう ■□■
目的に照らして、何が大事なことなのか?
優先すべきことは何なのかがはっきりしたら、それをきちんと日々のスケジュールに落とすことが大切です。
「時間マトリクス」の「第二領域=緊急ではないが重要」に属することは、心構えになっていたり、そのうち余裕ができてからやろう、と先送りして日々のスケジュールに入れられていない人が多いと思います。
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今野 誠一
株式会社マングローブ 代表取締役社長
組織変革及びその担い手となる管理職の人材開発を強みとする「組織人事コンサルティング会社」を経営。 設立以来15年、組織変革コンサルタント、ファシリテーターとしてこれまでに約600社の組織変革に携わっている。