2010.12.07
ストック型とフロー型メディアの違い
長尾 和彦
blanklabo コミュニケーションプランナー
シナリオ設計を行う際に最近感じている事についてつらつらと書いてみました。
前回は各メディアに落とし込んだ個々の活動を繋いでいくこと、マーケティングコミュニケーションにおけるシナリオ設計について消費者の行動プロセスのフレームワーク「AIDMA」を用いた記事を投稿させていただきました。
今回は私がシナリオ設計を行う際に最近感じている事について徒然なるままにお話させていただきます。
ここでいうシナリオ設計とは3つのメディア(Paid Media、Owned Media、Earned Media )上で企業が行う仕掛け(施策)とそれぞれの施策を繋げる仕組み(ライン)を設計することで、自社のマーケティングコミュニケーションを設計・管理するための活動を指しており、端的に言うと「メディアを繋ぐラインを描く」ことになります。
このメディアを繋ぐラインを描く際に最近悩んでしまうのが「フロー型」と「ストック型」のメディアの違いについて。
フロー型メディアの代表格は言わずと知れた 「Twitter」。タイムライン上に情報がリアルタイムに流れていく様は、まさしくキングオブフローメディアといえます。
Twitter等「フロー型Earned Media」の特徴はリアルタイム性とコミュニケーションコストが低さにあり、既につながりを持っている見込み顧客や既存顧客とのリアルタイムな対話により、細かく接点を持っていくことで関係性を維持する、「興味持続」型のメディアといえます。
ハッシュタグ等を使えば「ストック型」のメディアとして情報を再構築することは可能ですが、講演会やセミナーに行ってきた人間が録音してきた聞きもしないICレコーダーに似ていて、まぁあんまり有効とは言えません。(効果測定レポート作成の際には有効ですが・・)
対して「ストック型」のメディアといえば最近何かと話題のSNS「Facebook」や、国産SNSの雄「mixi」など。「ストック型Earned Media」の特徴は、各人が発信している情報にはあまり価値はなく、同一属性の情報や人を一か所に集めることで創られていくコンテクストに価値があります。よく言えば「共有」型、悪く言えば「蛸壺」型のメディアといえます。
この2つのメディアのうち、「ストック型」のメディアは、内部にトラフィックや情報をためこんでいく傾向にあり、他のメディアからの流入導線は描けても、そのあとの流出導線が描きにくいといった問題があります。つまり「ストック型」のメディアを導線上に配置した場合、おのずとそこが最終地点になります。
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長尾 和彦
blanklabo コミュニケーションプランナー
1997年より映像制作を中心に活動。2001年より活動の領域をWEBに移し、東名阪に拠点を持つ制作会社にて10年間勤務。執行役員 兼 営業企画部長として様々なクライアントのウェブ戦略の企画立案やサイト構築・運用に携わる。2010年独立。2013年~株式会社五箱取締役。書籍「ネットショップ 開店・運営バイブル(技術評論社)」執筆協力。「Webサイト構築・運用のコストと効果がバッチリわかる(技術評論社)」共著。猫より猫背で有名。