生物多様性や生態系保全は大切だという事に反対する人は誰もいないだろう。しかし、実際にその取組はというと、まだまだ進んでいない。そんな現状に、「生物多様性や生態系保全の年400兆円の経済価値を生み出せる」と生態系保全の動きを異なる観点から後押しする調査報告書が国連環境会議から出された。今回はこのTEEB最終報告書を紹介する。
では、一人ひとりの行動や行政の制度設計はどうすれば変わるのか。残念ながら、現時点では、それは人々の善意に働きかけるよりは、モチベーション(=勘定)に働きかけた方がよい。経済は勘定ではなく、感情で動いていると言われるが、感情は様々な勘定によって動かされる。その勘定の中には、他人から賞賛される、自己実現ができるなど色々あるが、個人でも企業でも金銭的な勘定が多数を動かす最たるものだ。
まだまだ改善の余地はあるものの、敬資源、敬エネルギーは自身の直接の経済性との親和性が高いので、企業にも個人にも取り組みやすいものがある。一方で、生態系保全は、その影響が地理的にも、時間的にも遠いところで起こっているので、なかなか進まない。単純に考えれば絶対にやるべきと思われることでも、将来のことであったり、集団になるとなされなくなる。これは、人間の悲しい性なのか?
正しい測定で、そうした人間の悲しい性を乗り越え、望む結果が得られるのなら、それはそれで良いではないか。
中ノ森 清訓/株式会社 戦略調達 代表取締役社長
調達・購買業務に関わる代行・アウトソーシング、システム導入、コンサルティングを通じて、お客様の「最善の調達・購買」を実現することにより、調達・購買コスト、物流費用、経費削減を支援する傍ら、調達・購買活動から環境経営に貢献する方法は数多くあると、環境負荷を低減する商品・サービスの開発やそれを支える優良なサプライヤの紹介など環境調達に関する情報発信活動を行っている。
コーポレートサイト: http://www.samuraisourcing.com/
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株式会社 戦略調達 代表取締役社長
コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それを支えるサプライヤなどを紹介する「環境調達.com」を中心に、開発・調達・購買業務とそのマネジメントのあり方について情報提供していきます