コンピュータ・ソフトウェアの販売/サポートを行うアシストで、入社2年目から主力製品の教育事業を立ち上げた藤井宏樹。駄目講師が、いかにして毎回顧客満足100%を得る花形講師に変貌したかについて聞いた。
それでも、本を1~2時間読むことを日課にしたのだ。
講師になりたてのころは、話し方、説明力、論理力など、講師として必要な技能を身につけるための書籍を数十冊は読んだという。今では、会社の仕事だけでは足りないため、ありとあらゆる本を、2日に1冊のペースで読んでいる。当時から8年経った現在30歳を超えたばかりといえど、引き続き、受講者である生徒は、大手企業のシステム部門で働く大先輩ばかり。人生の大先輩という謙虚さを常に意識し、読書は教養を身につけるための必須アイテムとして欠かしたことはない。
■自己満足100%を目指す 、自分が満足できるかという意識
藤井は言う。「顧客企業がアシストの研修を受けさせる目的は、一義的にはJP1を使いこなすことではあるものの、本来JP1を使ってやりたいことがその先にあります。つまり研修受講生一人ひとりの目線を越えた会社目線というか、ちょっと俯瞰した目的で研修を行わなければ、お客様の要求を満たすことはできません」
IT系の製品であれば、その使い方など、きちんとしたマニュアルさえ読めば習得できることが前提になっている。ではなぜ、わざわざ研修を受けに来てくれるのか?
それは、お客様が求めていることを、お客様が自分で勉強して習得するよりも、「短時間で効率的に」、わかりやすく理解できるからだ、ということを肝に銘じている。操作手順は慣れれば覚えるが、その先にある、会社にとって本当にやりたいことを見据える必要がある。それによって初めて見えてくる、操作や仕組みの先にあるトータルでのシステム運用の大切さはマニュアルを読んでもわからない。そこを伝えるのだ。
藤井の目標は、お客様の満足ではなく、自分がどれだけ満足できるかにある。すなわち、受講者全員を100%満足させるだけでなく、受講者を越えた目線を持つことができているか、ひいては自分が満足できるか、常にそれを意識して研修を進めている。研修の場では、お客様が真に求めていることに全身全霊を傾け対応することを信条にしているため、1日の研修が終わると、毎回、ぐったりして何もできないくらいにエネルギーを使う、と藤井はもらした。今や受講者1,000人のベテラン講師で、同じ内容の研修を担当することも多いであろうに、である。
こうして日々たゆまぬ努力を続ける藤井にとって、受講者からもらったコメントの中で一番嬉しかったものは何かと聞くと、「これまで受講したあらゆる研修の中で、最もわかりやすく、楽しかったと言っていただけたことです」と笑顔で語った。
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