目的達成・成果をあげるためには、共に仕事をするパートナーを信頼・尊敬しなければなりません。信頼・尊敬している相手であっても、互いの意見の食い違いで衝突することがあるかもしれません。でも、その衝突によってオープンマインドになり、互いをより深く理解することに繋がります。
○コンフリクトを乗り越えることによって、仲間のことを深く理解でき、関係を深めることにつながる。これこそが将来に渡っての人脈へとつながるということ。
○何より、衝突するほど本気で取り組む時にこそ、お互いに大きな成果を得ることができる。
心理学者のトーマスとキルマンは、コンフリクトが起こった時の5つの対応を提示している。
○競争 ・・・相手を言い負かすことにエネルギーを費やす。自分が勝つことが目的になっている。
○受容 ・・・まずは相手を受け入れることに価値観を持っている。自分の言い分を後にするマインド。
○回避 ・・・そもそもコンフリクトから逃げる。解決のための思考をしない。
○妥協 ・・・低いレベルの達成で満足する。回避に近いが、コンフリクトを避けるために、満足度水準が低くなるということ。
○協調 ・・・お互いに「信頼と尊重」をベースとして、協力しながら解決策を探る。
「協調」こそが、目指す姿なのですが、コンフリクトを乗り越えた時にこそ、実現できると思うのです。
経営コンサルタントのパトリック・レンシオーニは、チームビルディングがうまくいくポイントは、5つの段階で考えられると言っています。
「互いに信頼する」→「遠慮なく衝突する」→「責任感を持って取り組む」→「互いの説明責任を問う」→「チーム全体の成果を重視する」の5つ。
信頼関係の構築と遠慮のない衝突こそが、チームでいい成果を上げるための大切な土台だというわけなんです。
■□■ お互いの責任を果たす ■□■
日産のゴーン社長を一躍有名にしたのは、「コミットメント」という言葉でした。
「コミットメント経営」という言葉も生まれました。
○数値目標をはっきりと打ち出し、誰が責任を負うかを明確にしながら仕事を進め、目標達成に導く。
○達成すれば高い報酬が与えられ,未達なら厳しく責任を問われる。
この方法で日産の経営危機を救ったゴーン氏は、カリスマ的な経営者と讃えられることになりました。しかし、再び業績が悪化した今になって「コミットメント経営」を失敗だったと見直す声が大きいと聞きます。
私は、ゴーン氏が唱えた「コミットメント」という概念それ自体は、正しいと思っています。「誰が責任を負うかを明確にしながら仕事を進める」ということは、プロビジネスマンとしては当然ですし、それがいい加減では組織全体としての充分な成果も期待できないためです。
「責任を取る」という言葉があります。うまくいかなくなって「責任を取る」ものではなく、責任とは「果たす」ものなのです。
チームで協力して目的を達成するためには、「コミットメント=誰が何に責任を負うかをはっきりさせること」こそが大切です
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「スター社員の仕事術」
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今野 誠一
株式会社マングローブ 代表取締役社長
組織変革及びその担い手となる管理職の人材開発を強みとする「組織人事コンサルティング会社」を経営。 設立以来15年、組織変革コンサルタント、ファシリテーターとしてこれまでに約600社の組織変革に携わっている。