朝早くに母親から「ラジオ体操」だと叩き起こされて、残った宿題をやりなさいとガミガミ言われるのが夏休みの後半の風物詩かと思いきや・・・。 どうやら昨今の「ラジオ体操」事情は、かなり違うらしい。
夏休みのラジオ体操は、学校が推進するものではなく、保護者や地域の有志によって運営されている「子ども会」が主催するものらしい。
少子化に加え、共働きが多い世帯にとっては、子ども会に参加すること自体が負担。また、自主運営のため、防犯体制も緩い・・・何か問題があったときに、ややこしいことになる。そんな面倒なことなら、子ども会も、ラジオ体操も、もう要らない。
結局、地域の子ども会の風化が、夏休みのラジオ体操を壊滅状態に追い込んでいる実態が見えてくる。
この状態を「親達の無責任のせい」だと攻められるか・・・。子供のことは妻にまかっせきりで、私の住んでいる地区の子供会がどこで「ラジオ体操」を開催しているかも知らないオヤジが偉そうな批判はできない。
ただ・・・夏休みに早起きをする楽しさを身体で覚えることは子供達にとってとても大切なことだと考えている。「健康増進」やら「規則正しさ」やら、大人の理屈はどうでもいい。夏休みのラジオ体操が必要だと思う理由は、学校に行っている期間には体感できない「時間」を体験できたことだ。
早起きして二度寝する楽しみ。
ラジオ体操と朝食の間の時間を有効活用した遊びの歓び。
母親が起きる時間を体感することによる感謝の気持ち。
そんな貴重な「時間」の体験を子供達に促すためには、「夏休みのラジオ体操」という強制がいちぱん適切であった気がする。だから、ぜひとも・・・「夏休みのラジオ体操」は、復権してもらいたいと願っている。
そこで、誠に無責任ではあるが「夏休みのラジオ体操」風化防止策を考えてみた。
するべきことは、ラジオ体操そのものへのてこ入れである。
この動画を見ていただきたい。
http://www.youtube.com/watch?v=Ep4JAf8hECE
“ラジオ体操”の70年ぶりの続編と言われる「ラヂオ体操第4」である。これは、アディダス・ジャパン(株)が展開するリーボック ジャパンのスポーツウェア「TAIKAN(R)」のプロモーション動画で、いわゆる「ラジオ体操」とは、まったくの無関係なのだが、一時期、ネットで話題騒然となっていた。
いまなお本家の「ラジオ体操」には、「国民心身鍛錬運動」の匂いがある。それを地域の子ども会が推進していく。強制する。時代とは逆行した仕組み自体に無理が生じている。「余白」がない。「余裕」がない。こういう仕組みは、自然と淘汰される。
「ラヂオ体操第4」のような体操は、実質的には無理であるが・・・こういうことをヒントに、いまあるラジオ体操は、もっと地域色豊かなものにアレンジしていいのではないかと考える。
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有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役
昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。