池袋ビジネススクールで開催したオリジナル・ケーススタディを通して考えた、サイバーエージェントにおける成功のための創業戦略についてご紹介します。
先日、池袋ビジネススクールにおて自社作成のケースを使用してオリジナル・ケーススタディを開催しました。今回取り上げたのは、インターネット広告代理事業に加えてブログなど自社メディア事業を強化しているサイバーエージェントです。Ameba(アメブロ)で知られている会社です。サッカーの東京ヴェルディのスポンサーになっている企業です。サイバーエージェントの成功要因や優位性、また、今後の戦略について参加者の皆様と討議形式で考えました。その中で「出版事業はブログの補完事業であって注力事業ではない」、「ドロップショッピングは一時話題になったものの、市場性はあるのだろうか?」などの意見が出ていました。それから数日後にサイバーエージェントは、出版事業やドロップショッピング事業から撤退を発表しました。討議に参加したのはサイバーエージェントには直接関係がない方々ですが、結構、的を得た議論ができていたことを再確認しています。客観的な情報を基にした推測でも「当たらずとも、遠からず」ということは、結構多いようです。
今回は、オリジナル・ケーススタディで取り上げたサイバーエージェントにみる成功する創業戦略について、討議内容も交えてまとめます。
【内的要因】
1. 創業チーム
誰と一緒に事業を始めるかは重要な問題です。最初から、パートナーがいないケースも多いようですが、助け合えて、能力を補完し合えるようなパートナーの存在は不可欠です。サイバーエージェントの社長である藤田晋氏は、勤務先(インテリジェンス)で気の合った日高裕介氏(現:専務取締役)と1998年にサイバーエージェントを設立しています。また、助言者(メンター)も欠かせません。経験豊富な助言者を持つことは、困難を乗り切るために欠かせません。サイバーエージェントの場合、人材サービス会社であるインテリジェンスの創業者で当時の社長の宇野康秀氏(現:USEN代表取締役社長)の支援を受けて設立されています。
→勤務する会社で実績を上げて、会社の支援を受けてベンチャーを始める、あるいは、会社の新規事業としてベンチャーを立ち上げて、後で買い戻す(MBO)のはリスクの少ない創業戦略です。自分の力を試してみたいなどと言って、無計画に一人で事業を始めるのは、あまりお勧めできません。(筆者は、それで痛い目にあっています。)それでも長い目で見ると経営者は孤独なものであって、一人でも起業するくらいの意気込みがないといけないのかも知れません。
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