今日ご紹介するのは以下の本。 『ほんもの』 (J.H.ギルモア、B.J.パイン著、林正翻訳、東洋経済新報社)
一方、企業は、消費者に対してどんな経済価値(通貨で交換される価値の意味)を提供してきたか、また、これからどんな経済価値を提供すべきかについては、以下の5段階で説明されています。
1.コモディティ
2.製 品
3.サービス
4.経 験
5.変 革
この5段階の経済価値の進展において、着目すべきはもちろん、5番目の「変革」です。これは、消費者の「私を変えて」という願いに応えるということです。本書ではあまり触れられていませんが、私が思うに、「変革」という経済価値を現在、最も多く提供できているのは「アップル」だと言えるでしょう。
iPhone発表時のプレゼンで、スティーブ・ジョブスが述べていましたが、古くは、Macintoshがパーソナルコンピュータの世界を大きく変えました。近年は、iPodが人々の音楽ライフを変革。iPhoneは、携帯電話の有り様を変えてしまい、今また、iPadが消費者の生活に新たな革命をもたらしつつあります。
変革をもたらすことができる企業こそがこれからの時代で繁栄するのだと本書の著者は強調していますが、まさにアップルはそれに該当する企業ですね。
本書ではさらに、スターバックス、ディズニーなどの具体事例を出しながら、どのようにして「ほんもの」を作っていくかの手順を詳細に解説しています。
約400ページのボリュームがあり、内容もそれなりに高度であるため、じっくりと腰を据えてお読みください。
マーケター(および経営トップ)の必読書中の必読書であることは間違いありません。
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ブランド本百選
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。