「ハッとする企画なのに理解されない」「なぜかプレゼンを突破できない」と悩んでいるマーケターは少なくないだろう。筆者は2つの人間タイプを理解すれば、“グッド・マーケター”になれるかもしれないとアドバイスする。 [郷好文,Business Media 誠]
「こちらが『お客さまはこうなんだ』と指摘しても、エンジニアには理解不能。理解できないから直らないし、直らないからぐるぐるとメールが飛び交い、ドキュメントがたんまり作られ、リサーチ結果も活用されない。『マーケティングって意味ないじゃん』というスパイラルがpainfulで……」
2つの人間タイプ
女性への連絡は仕事よりも原稿よりも早くするのが信条。せっせとアドバイスした。
「お手紙ありがとう! サイエンスとマーケティングの間のクレバスのような暗黒。埋められないコミュニケーションはso badですね」
そう書きながら、「これは実はエンジニアVS.マーケターの問題だけじゃないな」と思った。理解し合えないことの根底には、人間性の違いがある。それは2つの人間タイプであり、自分を理解してもらおうというタイプと、相手に理解してもらおうというタイプに分かれる。
Aタイプ:相手のことにおかまいなく、自分を押す
Bタイプ:相手のことを先回りして考え、出迎える
Aタイプが言うことは(よく聞けば)たいてい間違っていない。ゴールも、ありたい姿も明確だ。だがどこかお仕着せがましく、“オレオレ”を感じる。だから聞く方は「ハイハイ分かりました」と言って立ち去りたくなる。Aタイプは「どうしてオレの言うこと、分かってくれないんだろう?」と嘆く。
Bタイプは逆に相手に考えさせるようにし向ける。自分は押さずに相手を引く。相手の行動や気持ちの着地点から引き算して、どうしたらそこに相手が来るかを考えて、欠けている要素やあるべきコトをはめこむ。テーマをパズルに分解して「“ミッシング・ピース”を一緒に探しませんか」という態度である。
Aタイプはありたい姿を伝えようとするあまり伝わらず、Bタイプはありたい姿を隠して、そこに来てもらうために伝えることを考えるから伝わる。
あなたはAタイプ? それともBタイプ?
私からの返信。
「たいていのSEはAタイプでしょう。『ヒトの行動は分析理解するもんだ』と考えて、事象をツリーにしたりマッピングします。それを彼らは構造化と呼びますが、『人はこうすべきだ』という態度がマーケティングぽくないんですね。私は“神様視点”と呼んでいます」
Kさんからの返信。
「引き算ってストンときました。正当派のマーケターって、頭は切れるけど自信満々族で中身のないバズワーズを連発して、『日和見主義であまりお友達にはなりたくないタイプ?』と思っていましたけれど(笑)」
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