消費行動が、合理的判断のみで行われるのであれば、この世の市場操作は、賢い人達だけのものになる。しかし、現実は、そうではない。
以上である。
ちょっと強烈すぎてげんなりする。スピリチュアル鑑定してもらいたい人を募集する広告なのだから、その人達が望む力=「霊能」「霊視」という言葉が乱れ飛ぶのは当たり前。そういうところに注目しても仕方ない。その胡散臭さを批評しても仕方ない。
マーケッターとして見逃してならないのは、「霊能」「霊視」を女性は、「何のために必要としているか=需要の本質」が、このコピー群から浮かび上がってくるところである。
良く読んでもらいたい・・・・。
ここらへんがキーワードである。
『復活愛』『邪恋祓い』『運命の赤い糸』『黒い糸を赤い糸に』『愛される運命への幕開け』『エンドレスラブ』『再愛』『不滅愛』・・・。
ひぃぃぃぃぃ~~
片思いや、振られちゃった相手の心を霊力で手に入れたり、視たりすることができますよっちゅうことが繰り返し謳われている。
ある意味、スピリチュアル鑑定は、ストーカーみたいになっちゃう可能性ある女性の味方になっているということではないか。
『私のこと好きと言ったこと、覚えてるよね!?私は信じてる』
『今の彼の状況とその本心を透視し、もう一度その心が貴女に振り向くように強烈な念飛ばし致します』
このコピーって・・・正直、、、背筋が凍る・・・ゾッとする。
女性にとっての「霊視」「霊能」は、「自己愛」のためにあるのだ。
警視庁が発表している平成20年度のストーカー被害者の実数は、女性が906人(84%)と約8割を占め、男性は171人(16%)であり、過去5年間も同様の傾向であるという。
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/seian/stoka/jokyo_18_1.htm
しかし、先述のように「霊能」「霊視」の力を恋愛沙汰に持ち込みたいと願う女性達の現状を見ると、このストーカー被害者の数字には、裏があるように思う。
日本の年間の自殺者数は、3万人を越えている。その内訳は、男性が女性の2.5倍となっている。しかし、その背景には、その10倍・・・30万人の自殺未遂者=「死にたいのに死ねないヒトたち」が存在していて、その男女比率は逆転。自殺未遂者は、女性の方が、男性より2倍以上多い。
※『自殺白書』には載らない裏データを暴いて読む!より
http://www.insightnow.jp/article/3006
この結果と同じように、表出しないだけで『私のこと好きと言ったこと、覚えてるよね!?私は信じてる』そんな、強烈な念を飛ばされているのは、間違いなく女性より、男性の方が多いはずである。
女性の「霊能力行使」という見えないストーカー行為が、日夜繰り広げられているのだ。
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私的マーケティング論
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有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役
昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。