部下は決して上司を説き伏せてやろうとか、考えを改めさせてやろうなどと挑んではいけません。賢い部下は「聞く」ことで上司を結果的に動かすのです。
などのようなことを行うといいでしょう。上司とのやりとりの際には、
・「目的や意義を自分ではこうとらえていますが、
部長はいかがお考えでしょうか」
・「リスクを洗い出してみましたが、他に重大なモレはないでしょうか」
・「この方法はコストが問題になりますが、
部長の知恵をお借りできませんでしょうか」
というふうに、必ず自分が観察、読解を踏まえて考えた土台案を基に問いかけをすることです。手ぶらで訪れて、漫然と聞いてはだめです。
その問いが本質に近いものであればあるほど、上司はどきっとさせられるでしょうし、「なかなかこいつは、深いところまで考えているな」とあなたへの評価を新たにするでしょう。また、あいまいだった上司自身の腹をその質問で固めることができれば、組織全体にも好影響となります。
……こう書いてくると、「何をそこまで部下が大人にやらねばならないのだ。上司は高い給料をもらっているではないか(怒)」と思ってはいけません。上司は欠点だらけ(そしてあなたも欠点だらけ)です。しかし、上司は貴重な「資源」なのです。資源に怒ってもしょうがありません。むしろ、その資源を活かすことにアタマとエネルギーを使ってください。そのために、聞き上手になることです。できる部下は、「柔よく剛を制す」の精神です。
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【賢い部下ほど上司を活かす】
2010.05.22
2010.05.13
2010.05.05
2010.05.03
2010.04.26
2010.04.25
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表
人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。