3月31日Googleの急上昇検索ワードのトップに「おもちゃのカンヅメ 中身」が輝いた。子供の頃からの夢を壊してもいいという覚悟で、私も検索してみた。そうしたら・・・。
「おもちゃのカンヅメ」のプレゼントが始まったのは、1969年。もう41年も続く伝説的な企画である。その中身は、トップシークレットである姿勢も一貫して続いている。
たかが、おもちゃである。
たかが、懸賞の法的規制の枠内に納まるプレゼントである。
されど、こどもの夢である。
そこに手を抜かない森永製菓の愛は、インターネットの世の中で、その中身は晒されることになっても、「おもちゃのカンヅメ」というブランドは、違うスピードで拡がっている。
朝日放送の人気番組「シルシルミシル」の特集では、チョコボールを何個買えば「おもちゃのカンヅメ」が当たるという検証もやっていた。
その結果は、
千個買って→金のエンゼルは、2個。
千個買って→銀のエンゼルは、37個。
千個大人買いすると・・・計9個(金のエンゼルで2個+銀のエンゼルで7個)の「おもちゃのカンヅメ」をゲットできるとあった。
おおまかに言っちゃうとチョコボール百個買ったら、「おもちゃのカンヅメ」1個が当たる計算である。
BIBLOBEなんでも相談室の「チョコボール、金・銀のエンジェルが当たりません。」という回答欄には、森永製菓からのそんなクレームに対する興味深いお答えが載っている。
http://soudan1.biglobe.ne.jp/qa1721764.html
そこには、
チョコボールの懸賞額は、『景品表示法』と言う法律で決まっておりまして、これは年間売上予想額によってその数字が決まります(売上予想額の2%まで)。 弊社は、その法律基準限度内でエンゼルマークを入れさせていただいております。
尚、金または銀のエンゼルマークが出る確率について、具体的な割合等はお知らせできないのですが、
ここ数ヶ月は金・銀でのご応募を合わせまして平均で毎月約20,000名様に『おもちゃのカンヅメ』を発送させていただいております。
・・・とある。
この森永製菓のお答えを信じるとしたら、年間で24万個の『おもちゃのカンヅメ』が流通しているわけである。
それが、約40年続いてるとしたら・・・単純計算で、約1千万個。秘密が暴露される体験を1千万回届けているわけである。
何があっても秘密である。
何度ばれても秘密であることを通す。
トップシークレットマーケティング。
プレゼント企画自体がひとつのブランドとして大きく育っていく希有なパターンに、『おもちゃのカンヅメ』に夢を描いて大きくなった我々大人は、また改めて学ぶべきものがある。
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私的マーケティング論
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有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役
昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。