コミュニケーションの指導をしていると伝えると、よく人から「お前は何いってるのかわからない」といわれるのですがどうしたら良いですか?という質問を10人中3人くらいから言われます。コミュニケーションはディベートでも雄弁術でもありません。コミュニケーションに苦手意識を持つ人こそ、ゴール意識をもっていないのです。
・面接のゴール
面接についていえば、「採用されること」がゴールです。採用さえされれば、極端な話、面接自体がボロボロでも良い訳です。もちろん現実に面接がボロボロで採用はまずあり得ませんが。そうであれば面接練習も、「どう接すれば採用されるか」ということを考えなければなりません。全く説得力のない棒読みのセリフではなく、たどたどしいものであってもご自分の言葉で語ることは、説得力として非常に重要です。
面接での受け答えは、すべて「採用」に直結しなければなりません。逆に採用にプラスにならないことは言う必要が無いのです。採用に直結することとはもちろん採用する側のメリットを伝えることです。これがきちんと整理できないまま面接に臨む人が圧倒的に多数です。「何をいいたいのかわからない」といわれる人は、まずゴールを意識しないか、あるいはおろそかにいているのです。
コミュニケーションに長けている人は、しっかりと事前準備をしてからコミュニケーションの場に臨むようにしています。この白鳥の水面下の水かきのような努力こそ、コミュニケーション能力を向上させるカギといえます。セリフ頼みの会話とは、相手のことを考えず自分の言いたい事、伝えたいことだけでイッパイイッパイな状態であって、それは「話がわからない」のではなく、わかる状態にもっていとていないといことなのです。
事前準備をしっかりとやり、その上で相手の言いたいことや考えをしっかり理解できる人こそコミュニケーション上級者です。「わかってもらえない」のではなく、「わかってもらう」努力を徹底してますか。そこを変えるだけで、劇的にコミュニケーションは改善されます。
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2016.04.26
2016.08.31
株式会社RMロンドンパートナーズ 東北大学特任教授/人事コンサルタント
芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。