人財の離職と根付きの問題<3> 安すれば鈍する

2007.09.19

組織・人材

人財の離職と根付きの問題<3> 安すれば鈍する

村山 昇
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

組織におけるヒトを考える場合、離職(流動)も問題ですが、その根付き(定着)も問題です。“よい根付き”と“悪い根付き”の分水嶺はどこに?

やがて、残ったカモはますます飛ばなくなった。
野ガモの群れが戻ってきたときには、輪になって歓迎したが、すぐに餌場の池に引き返した。
3,4年も経つと怠けて太ってしまい、気づいたときにはまったく飛べなくなっていた。

キルケゴールの説く教訓は、
野ガモを飼いならすことはできるが、
飼いならされたカモを野生に戻すことは決してできないというものである。
飼いならされたカモはもうどこへも行くことはない、という教訓を付け加えてもいいだろう。

私たちは、どんなビジネスにも野ガモが必要なことを確信している。
そのためにIBMでは、野ガモを飼いならさないようにしている」。

*『IBMを世界的企業にしたワトソンJr.の言葉』(朝尾直太訳):英治出版より

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村山 昇

キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。

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