TwitterはGoogleを超える次世代検索システムなのか?

2010.01.25

経営・マネジメント

TwitterはGoogleを超える次世代検索システムなのか?

伊藤 達夫
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

Twitterが週刊ダイヤモンドで特集されていました。私も去年の9月に始めて、面白いなあ、と思いましたが、これはすごい可能性を秘めていると思い始めています。これはGoogleを越える次世代検索システムなのでは?と思い始めています。

 みなさん最近は、カスタマイズしているから、メールの画面もニュースの画面もあるかもしれません。でも、検索窓をずっと見てしまうことから心をそらしているように思えてしまいます。

 真っ白な検索窓を前にして、私は何度も思いました。

 「俺、なにしてんだろ?」と。

 当たり前ですが、検索には意思が必要なのです。そして、キーワード化が必要なのです。

 意思があって、問いがあって、キーワード化して、検索して、答えに至る。

 意思がないとき、キーワードにならない時、窓の前で切なくなります。窓の外にはいろいろな世界が広がっているはずなのに、と。

 Twitterにお話を戻しましょう。

 Twitterである程度の人数をフォローしているとき、ぼーっと見ていると、いろいろなことが流れて行きます。流れては消え、流れては消えて行きます。

 自分の意思に明確に気がついていない時、1つの情報を流し込まれるのは洗脳みたいで嫌ですが、TLは自分が選んだ人の情報が細切れに流れて行きます。

 ランダムに情報が流れるイメージに近い。

 そうすると、不思議なことが起こります。

 あれ、これって!というTweetが勝手に目の前を流れて行くのです。それを見ると、リンクがあったり。キーワードが入っていたり。

 そうすると、ああ、俺はこういうことがしたかったのでは?と自分の意思の輪郭が明らかになってきたりするのです。

 そして、リンクを辿ったり、調べてみたりするのです。

 これはよく考えるとすごいシステムです。

 Twitterを立ち上げておけば、何もないとき、テレビをぼーっと見るのと違って、自分の意思に近いものを、目の前に持ってくることができる可能性があるのです。

 それにキーワード化するのは難しくても、140文字でTweetすることはできます。それに対して、いろいろ帰ってくることもある。これが1つの画面でできてしまう。

 いろいろと、クラウドソーシング的な質問箱、悩み相談室はありましたが、こういうダイナミックな帰ってくるあり方はありませんでした。

 これは、検索窓を前にして呆然とする、切ない体験がもはやなくなることを示しているのかもしれません。

 巷でも、いろいろみんなに聞けるから検索の代わりになるといった言い方をする人がいます。

 確かにそれもあります。

 でもね、TLの真髄としては、意思がないところに、流れ行く情報を眺めることで、自分の意思を引っ張り出せることにあるのではないでしょうか?

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伊藤 達夫

THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。

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