今年の干支が寅ということもあり、年初から「虎穴に入らずんば虎児を得ず」という故事成語をよく目にします。有名なので、その意味は省略しますが、これにちなんで、今年のテーマとして「挑戦」や「積極性」を掲げている方もいるのではないでしょうか。特に日本人は、日本人は「積極性」や「自己主張」に欠けていると世界的に見られることが多いようです。この機会に「積極性」について改めて考えてみたいと思います。
天風氏の教えによると「○○に負けるな」とかいうような他人と比較することの中からは真の「積極」は生まれないのです。
他人と張り合おうとか、対抗しようとかする気持ではなく、自分と張り合い己に克とうとする心こそが「積極性」を醸成するのですが、そこに他の人に勝とうという意識は存在しないのです。
天風氏は何ものにもとらわれない心の絶対的境地ということで「絶対積極」とも言っている。
先の東洋大を率いた酒井監督がインタビューで次のように言っていました。「よく克己心という言葉を使いますが、長い距離を走る箱根ではそういう心の強さがより問われると思うんです。」
相手に克つのではなく、己に克つという精神が安定した強い走りの根源であったように思われます。そこにはまさに「絶対積極」が存在していたのでしょう。
比較や競争から逃れられない中で生き抜いていかなければいけないのが現代社会ではありますが、敢えて比較や競争にとらわれることなく克己心をもって「積極性」で臨むことが成長の原動力となるのではないでしょうか。
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2010.01.27
2010.02.04
松本 真治
有限会社ワースプランニング 代表取締役
人材・組織開発コンサルタント。 人材・組織の潜在力を引き出すアセスメント(サーベイ)の企画/開発/運用から本質的課題を抽出し、課題解決のための最適なソリューション(研修・教育プログラム)の設計/運営までのコンサルティング・サービスを展開中。 人/組織が本来持ち備えている力(潜在力)を引き出し、人/組織が自律的で持続的な成長を遂げていく支援をさせていただいています。