日本の地域活性が『何とかレンジャー』に委ねられちゃうワケ。

2009.12.18

営業・マーケティング

日本の地域活性が『何とかレンジャー』に委ねられちゃうワケ。

中村 修治
有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

近頃、街おこしのPRキャラクターと言えば、戦隊モノの「何とかレンジャー」である。なぜ日本には、「何とかレンジャー」が、こんなにも出没するのか?考えてみた・・・。

それと比較すると、日本には八百万の神々が居る。だからバッタが仮面ライダーになるし・・・ウルトラマンは、宇宙人でも、私たちの味方である。それを幼少の多感な頃に見ていた男の子達は、今やいいおっさんで、地方の村興しの中心的役割を担っている。
そうなると、トウモロコシが、ウシが、エビが、ホタテが、シャケが、北海道ではヒーローとして再生される。神になれる。全国各地の人々が、見るモノ、愛するモノ、全部が「何とかレンジャー」になれるわけである。

こういう日本文化に目をつけ、「何とかレンジャー」を増やす後押しをしているのが、日本の玩具メーカーである。販売のことを考えると、キャラクターは、1人より多いほど良い。人気が出たらバージョンアップを次々とさせた方がよい。必殺の武器も多いほど玩具は売れる。何とかレンジャーは、一発当たるとすごいんじゃーなのである。

しかし、いくらローカルヒーローが活躍しても・・・残念ながら・・・どの地方にも現実のコヨーフアン、キンユーハタン、カカクハカイ、タンカサゲルダ、リストランダはやってきて、その街を破壊している。「地域戦隊カッセイカマン」の活躍も、「戦う秋田名物超神ネイガー」の活躍も、現実的には、焼け石に水なのである。
冷めた見方をすれば・・・地方で地域活性策を担っているはずの昭和30~40年代生まれのおっさん達が、昔を懐かしんでフキョーやチイキカッセイをネタにしている程度の話である。

そこで、同じ年代のおっさんとして、ローカルヒーローを生み出しているであろう地域のおっさん達に反省を促したい。

この時代の地域活性や革命的活動を、過去の憧憬に委ねていいのか?
革命やイノベーションのための活動の真のインセンティブは、「新しい世界を見る喜び」である。まだ見たことないもの、やったことないものを成し得る興奮と感動が、改革運動のインセンティブである。
地域活性や改革のためにローカルヒーローを誕生させるやり方は、そのインセンティブを獲得しに行っているとは言い難い。過去に帰っているだけである。新天地は、見えない。

明治維新の時と同じように、、、革命は、きっと、辺境から訪れるンジャー!

コヨーフアン、キンユーハタン、カカクハカイ、タンカサゲルダ、リストランダをやっつけるのは、憧憬になぞらえた「何とかレンジャー」ではなく、きっと

地方に生きながらも、明るい未来を信じる生身の人間なんじゃー!


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中村 修治

有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。 その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。

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