北沢防衛相は、「事業仕分け」で海外調達などによる自衛隊の制服購入費の縮減を求められたことについて、「軍服を海外に依存するなんて話は世界中で聞いたことがない。その国と危険な状態になったら、おんぼろ服で事に臨むのか」と批判しました。 この発言には、企業で調達をめぐる誤った議論と重なる部分が多くありますので、北沢防衛相の発言を他山の石とするために、その誤りについて、確認していきます。
北沢防衛相に限らず、最近は、行政、経済のリーダーであっても、大衆受けを狙ったタカ派的な発言や軽い発言が目立ちます。
何気ない発言に、真意が表れるものです。上の立場の人間になればなる程、その影響力の大きさから、「あれは思いつきだから」では済まされません。
苦労して、新しい取引先を開拓し、技術、生産管理、製造、品質管理部門を説得し、トップに報告した所、「新しい所だから何となく危ない」、新製品の企画や業務改善策を提示した所、「他社がやっていない」という理由だけで提案が却下される一方、上からの指示で「あそこは俺の知り合いだから使ってやってくれ」。何れの企業でもよくあるケースではないでしょうか。
このような環境で、「新しいアイディアを出せ」「ぎりぎりまでコストを下げろ」と言われても、誰もついてきません。
上に立つ人間であればある程、一言一言を噛みしめて、下の人間が鼓舞されるようなメッセージを発し続けなければなりません。
あなたの言葉は、あなたが考えている以上に重いのです。
※本稿は、弊社が発行しているメルマガ「週刊 戦略調達」の記事を編集・加工したものです。「週刊 戦略調達」は、調達・購買業務とそのマネジメント、コスト削減・経費削減のヒントを提供すべく、調達・購買業務のマネジメント、戦略調達のプロフェッショナルが、最新のトピックスから、調達・購買業務におけるトレンド、業務への影響を解説したものです。最近の記事のバックナンバーの閲覧やご購読は、http://samuraisourcing.com/knowledge/weekly/ にて行えます。
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株式会社 戦略調達 代表取締役社長
コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それを支えるサプライヤなどを紹介する「環境調達.com」を中心に、開発・調達・購買業務とそのマネジメントのあり方について情報提供していきます