影響力を解剖する(9)影響方略-2

2007.09.10

営業・マーケティング

影響力を解剖する(9)影響方略-2

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

相手に影響を与えるための具体的な「働きかけ方」のことを 「影響方略」 (Influence tactics、Influence strategy) と呼びます。

そして、容疑者が筋金入りのワルの場合、

「さっさと吐かないと痛い目にあうよ」

といった単なる脅かしでは通用しないことが
わかっているジャック・バウワーは、
周囲の制止を振り切り、強引な体罰を与え続けますね。
相手が自白するまで。

[第三者から罰が与えられることを指摘する]

母親が、電車内で騒ぐ子供に対し、

「ほかの人に怒られるよ」

というのはこれ。

会社であれば、

「この仕事に失敗したら、社長がどんなに怒ると思う?」

などと、より権威のある、立場の強い存在からの罰を
ほのめかすものです。

自分に罰を与えるだけのパワーがない場合に
有効な影響方略ですが、なんとも陰険なやり方ですね。

[受け手が与え手にかけた迷惑を思い出させる]

過去において、
受け手が与え手に与えた迷惑を思い出させ、

「罪の意識」

を感じさせることによって、従わせようとするもの。

これは、受け手に「負い目」を感じさせることが、

「罰」

を与えていることに等しいと考えられます。

ただ、相手によっては、

「過去のことなんか持ち出して・・・」

と逆に反発を招く可能性があります。

また、

「過去は過去、今は今でしょ」

と開き直る人には効果が減少します。

以上ご紹介した「罰影響力」を使った4つの影響方略は、
基本的に、人のネガティブな感情を突くものですから、
他に方法はない時以外は、利用しないほうがよさそうです。

『影響力を解剖する』
(今井芳昭著、福村出版)

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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