相手に影響を与えるための具体的な「働きかけ方」のことを 「影響方略」 (Influence tactics、Influence strategy) と呼びます。
この「影響方略」においては、
これまで紹介した6つの影響力の源、すなわち、
・賞影響力
・罰(強制)影響力
・正当影響力
・専門影響力
・参照影響力
・情報影響力
を有効に活用することにより、
相手に影響を与えることに成功しやすくなります。
『影響力を解剖する』
では、18種類の「影響方略」が挙げられていますが、
これら18種類を
・賞影響力に関連する影響方略
・罰影響力に関連する影響方略
・賞罰に関連しない影響方略
の3つに分類して説明が行われています。
今回は、
「賞罰に関連しない影響方略」
の9項目をご紹介します。
[単に頼み込む]
影響の受け手にとって依頼に応諾することに
たいしてコストがかからない場合、シンプルに依頼
するだけで十分な場合があります。
まあ、わざわざ説明するまでもないことのようですが、
「断られたらいやだな」とか、「頼むのが恥ずかしい」
といった理由で頼めないことってありますよね。
ところが、実際頼んでみたら、
拍子抜けするほど簡単に承諾してくれることが
多いものです。
その結果、頼まなかった場合より、
ずいぶん得することもあります。
なにか頼みごとがあったら、
あまり深く考えずに、ダメモトで頼んでみるのが
いいんじゃないでしょうか。
(相手との間合いとか図りつつ)
[受け手が応じるまで依頼を繰り返す]
ようするにしつこく頼み続ける。
昔の押し一手の営業マンのやり方でした。
熱意が伝わるという意味で相応の効果が
ありますが、いまは大変いやがられますね。
でも、あなたが、落語家に弟子入りしたかったら、
これしかありません。あなたの熱意と決意が
試されているからです。
[理由をつけて頼み込む]
これもわざわざ説明しなくても良さそうですが、
そうでもありません。
依頼の理由が必ずしも正当なものでなくても、
効果があるのです。
「影響力の武器」でも紹介されていますが、
「コピーを取らなくてはならないので、
割り込ませてくれませんか」
といった、全く理由になっていない理由をつけても
割り込ませてくれる可能性が高いのです。
このあたりは人の心理をうまく突いているんですね。
(詳細説明は、「影響力の武器」をご参照ください)
[与え手と受け手の役割関係を指摘する]
お互いの役割関係を強調、つまり思い出させて
影響力を行使しようとするもの。
上司・部下の関係などにおいて存在する
「正当影響力」
を背景に、
“上役である私の命令には逆らえないはずだが・・・”
などと言う。
セクハラ、パワハラの現場を思わず連想してしまいます。
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2007.09.14
2007.09.18
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。