「疲れた・・・」が口癖のようになっている読者の皆様も多いはず。でも、「疲れ(疲労)」とは一体何であるかということについては意外に知られていないことも多いのでは!?ということで今回は「疲労」について考えてみたいと思います!
読者の皆様、最近お疲れではないですか!?
近年、「慢性疲労」「疲労回復」など「疲労」という言葉をよくみかけるように感じますが、何かとストレスが多い現代社会では、それだけ身体が疲労しやすい(疲労しやすいと感じる)のかもしれませんね。
ということで、今回は「その疲労とは一体どのような状態を意味するのか」「疲労とは何か」について考えてみたいと思います。
■疲労とは
そもそも、疲労とは人間に限らず長時間の継続的使用によって本来の機能が低下する現象を意味しています。
人間においては全身的な身体疲労や一部の筋肉の酷使による局所的筋疲労、運動の結果として生じる衝撃力に起因する骨の疲労、あるいはトレーニングのし過ぎによる身体的・先進的変調、異常な環境での身体作業によって生じる様々な機能低下、プレッシャーに起因する精神的ストレスなど、疲労という現象には極めて幅広い要素が含まれています。
そこで、今回は運動における筋肉の疲労(筋疲労)に焦点を絞り、その要因等について以下に述べてみたいと思います。
筋疲労の原因は、大きく分けて以下の4つであると考えられていますが・・・
(1) 中枢性の要因
(2) 筋肉のエネルギー生産機構(システム)に関わるメカニズムの変調
(3) 興奮-収縮連関系の機能低下
(4) 体内のエネルギー源の枯渇
これら4つの要因が複合的に絡み合い、筋疲労が生じるものと考えられますので(筋)疲労の要因については一言で言い表せない場合も多いといえます。
そこで、今回はこれら4つの要因の中から、最も理解しやすいといっても過言ではない(4)体内のエネルギー源の枯渇による筋疲労についてさらに考察してみることに致します。
■体内のエネルギー源が減るとなぜ疲れるのか!?
私たち人間が運動する際には、筋肉を収縮させるために実に多くのエネルギーを必要とします。
そして、そのエネルギーを作り出すためには、糖質や脂質、タンパク質等のエネルギー源が必要となり、それらエネルギー源が枯渇した結果、筋疲労に陥ります。
体内には、いくつかのエネルギー源が血液中に存在していたり、蓄えられたりしているのですが、そのエネルギー源の一つである血糖が特に筋疲労に関係していることが明らかにされています。
つまり、血糖の低下によって筋疲労が起こるという訳です。
但し、著しい低血糖状態に陥った結果として筋疲労が生じる訳ではなく、(運動によって、臨床的に低血糖と定義される2mmol/l以下にまで低下させるのは困難であり、それより前に疲労困憊に至る場合が多いとされている。)血糖の低下に伴い脳組織におけるエネルギー消費量が低下し、脳が正常に機能しなくなり疲労困憊に至る可能性があるといわれています。
いい換えれば、著しく血糖が低下する前に生体の防御機構が働いて運動を停止させるべく筋疲労が生じる可能性が示唆されている訳です。
先行研究によると血糖値の変化とRPE(主観的運動強度)の動向はかなり同期することが報告されており、血糖値が低下するに従って主観的運動強度が増加し、疲労困憊に達すると報告されています。
昔から「疲れた時は甘いものが欲しくなる」といわれているのはこのような背景に裏づけされる訳ですが、疲れたからといって甘いものばかりを食べていては肥満街道まっしぐら!?・・・ご注意を!
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