【夏の雑信】休暇中にワーク/ライフバランス問題をこんな目線で考えてみました。
だから、“現在の私”にとって、
「ワーク/ライフバランス」といった概念は、
少し遠い感覚のものになります。
ただ、「ワーク/ライフバランス」という概念は、
現代のビジネス社会にあって、とても重要で必要なものではあります。
私も“過去の私”においては、本当に、この「ワーク/ライフバランス」が
必要なサラリーマン時代がありました。
組織の中で、自由に権限を持って多少なりとも楽しく働いていたサラリーマン時代でしたが、
やはり、年次が経つにつれ、自分の想うところと組織の命令・任務とは乖離するところが大きくなり、
違和感を抱きながら、「仕事に働かされていた」日々でした。
物理的に休日も仕事にとられることが多かったものです。
ましてや、管理職となり、
組織側の考えることに異議を持ちながらも、
部下には組織側の意思決定を正当化して伝え、実行させなければならない段になると、
もう、精神がキリキリしてきます。
まさに、バーナードが触れた経営者の苦渋の重荷は、
組織人格と個人人格の乖離(『新訳・経営者の役割』に詳しい)であることがよくわかりました。
こうなると、仕事と私生活・人生を「分離」して考えることが必要になり、
両者のバランスを保たねば、カラダとアタマが続かなくなってきます。
しかし、現在の私は、はれて個人事業主の道を選び、
みずからの想いを具体的にサービス化して、直接、世の中に問う働き様となりました。
私の行なう事業は、
私個人の仕事観や生活観、人生観による価値や意志の表明そのものであります。
組織の中で働かなくなった今、
組織人格と個人人格の間で葛藤することもありません。
私の考えに制限を与えるのは、顧客の要望のみです。
もはや私にとっては、仕事と私生活・人生は、無境界に「融合」して、
両者をいかに掛け合わせて、
納得する仕事、満足する生活・人生をつむぎ出していくかという
「ワーク/ライフブレンド」な状態になっています。
この記事の表題とした
「ワーク/ライフバランス」と「ワーク/ライフブレンド」は
必ずしも適切な対比でないかもしれませんが、
読者のみなさんの“働く”を考えるきっかけになれば幸いです。
そのへんのところを図化したものが下です。
「ワーク/ライフバランス」の人と
「ワーク/ライフブレンド」な人の境界線はどこにあるかといえば、
つまりは、
仕事に働かされるのか、
仕事を創造するのか、です。
または、仕事に使われるのか、
仕事を使って、もっと大きな何かを成そうとしているのか、でしょう。
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2007.08.30
2007.09.04
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表
人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。