2010年までに売上高1兆円、経常利益1500億円達成の目標を既に発表していたファーストリテイリングが、新たにその10年後2020年に売上高5兆円、経常利益を1兆円を目標とすることを発表した。その背景には、徐々に形を明確にしてきた同社の成長戦略が見える。
以上のように、ファーストリテイリングの成長戦略は抜けモレなく、まさにマップをびっじりうめるが如く展開していることがわかる。それも、ここ1年ほどの間に完成計に近づいているのである。それゆけ1兆円。その次5兆円の構えだ。
しかし、残る課題もある。
ニューヨーク生まれのファッションブランド「Theory (セオリー)」。パリ生まれのブランド「COMPTOIR DES COTONNIERS(コントワー・デ・コトニエ)」。フランスのランジェリーブランド「PRINCESSE TAM.TAM (プリンセス タム・タム)」。これらの完全子会社化していない一部出資子会社であるファッション性の高い事業はまだ、グループ内でどのような位置づけになるか定まっていないように感じられる。
成長のマトリックスでは、中核事業のユニクロを最大限活用しつつ、その力を強化していくことに力点が置かれている。その意味からすると、上記の女性向けハイファッション事業群ともいうべき展開はシナジーを発揮しやすいとはいえない。しかし、もしかすると思いもよらぬ一手を考えているのかもしれない。
この課題も忘れずにウォッチし続けてみたい。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2009.02.10
2015.01.26
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。